Dec 10, 2018

パナソニックは遅すぎる!?食とイノベーションのプロが集まるFood Qに登壇して考えた食の未来と実現のスピード

Game Changer Catapult

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パナソニックは遅すぎる!?食とイノベーションのプロが集まるFood Qに登壇して考えた食の未来と実現のスピード

Written by ゲームチェンジャー・カタパルト  事業開発総括 真鍋 馨 /

こんにちは、Game Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト)総括の真鍋です。2018年9月、8日間にわたり「食の可能性を追求するセッション」FoodQ*が日比谷ミッドタウンで開催されました。私はその中の9月28日に行われたセッションに登壇しましたので、今日はその議論の模様と、考えたことをレポートします。

Game Changer Catapultが参加させていただいた理由

私がお招きいただいたセッションは、食×テクノロジー領域のイノベーションを進める「ベンチャー企業」、「共創コミュニティ運営」、「大企業」のプレイヤーが、日々アクションしている内容についてディスカッションを行うものでした。新しい価値提案・社会課題解決型の新規事業テーマを複数推進しているGame Changer Catapultは、大企業としてとてもユニークと評価いただき、お声がけ頂きました。ご一緒したのは以下の方々です。

前田一成氏 (アグリホールディングス株式会社 代表取締役社長)

橋本舜氏 (ベースフード株式会社 代表取締役社長)

田中宏隆氏(株式会社シグマクシス ディレクター)

そして真鍋馨 (パナソニック株式会社 Game Changer Catapult 事業開発総括)

2.会場の様子_picture of venue.jpeg

Food Qの場でお話させていただいたこと

私からは主に、①Game Changer Catapultの設立経緯とビジョン、②私たちにとっての「食」分野とは?③他の登壇者の方とコラボレーションできそうな事業についてお話ししました。

Game Changer Catapultの設立背景にあるのは危機感と新しいお役立ちへの想いです。長らく家電の印象が強いパナソニックですが、世の中が大きく変わり、ビジネスの前提が変わる中、事業をサスティナブルにするために、イノベーションで新しい価値を生み出し続ける必要があると危機感をもっていること、そのため、外部との共創を前提とし、世の中のスピードに対応する"出島" Game Changer Catapultをパナソニックの中に作ったこと、新しい生活文化の創造と、社会課題の解決に貢献できる未来の「カデン」をカタチにすることをミッションとしていることをお話ししました。

そんなGame Changer Catapultは、「食」を重要な領域の1つと位置付けています。食は誰もが身近に感じ毎日向き合っていること。誰もが何かしら困り事や願いがあり、当事者感も強いため、未来の顧客価値をカタチにすべく戦略的に捉えています。

当日は、登壇者同士で一緒に進められそうなアイディアの話も盛り上がりました。アグリホールディングスさんは、農業から飲食店までのバリューチェーンのイノベーションを目指されています。アグリホールディングスさんとの共創の視点では、私たちの事業アイディアの中で、おにぎりのグローバル化を目指すOniRobotがお役に立てるのでは、とご提案しました。また、完全栄養食を提供されているBase Foodさんには、日頃の食生活に基づき1人ひとりに最適なレコメンドを共創できる可能性のある、totteMEALがお役に立てるのではと思っています。Base Foodさんはオフィス向けの新サービスを開始されたそうですが、totteMEALは在庫管理・決済など、一連のソリューションも持つので相性が良いと思います。

1イベントで語る真鍋_Manabe talking.jpeg

それぞれ異なる立場から「食」のイノベーションに携わる4人で話しましたが、私の考えをお伝えしたトピックスをいくつかご紹介します。

「テクノロジーの進化で、食のどんな情報が可視化される?」

あらゆる食の領域でデジタル化は進むでしょう。例えば、生産~流通・小売の領域では、食の安心安全ニーズから、トレサビリティに関する情報は可視化されていくでしょう。一方、消費者側でも、食事データや料理プロセスの情報など多岐に渡ります。我々は、これらをシームレスにつなぐ1つの仮説として、1人ひとりや家族単位で摂取する「栄養素」情報は価値になるのではと考えています。そして我々は「ライフログ」と呼んでいますが、栄養素・産地・調理方法など食に関する情報と、バイタル情報やくらしの接点で得られる情報を掛け合わせることで、新たな体験・価値が生まれると考えています。食に向き合うと同時に、食を通じて消費者のくらしに寄り添い、その先にある本質価値や社会課題にリーチするためです。常に消費者や社会が抱える課題・イシューからはじめるよう意識しています。

「テクノロジーの進化により、人にとって食事の意味合いはどう変化する?」

1人ひとり意味合いは違っていいと思います。国や地域ごとに生活習慣・食文化も違うし、同じ人でも、その時の気持ちや体調で食事の意味は変わるでしょう。ステレオタイプ的に決めつけない事、常にUnlearnして学び続けることを意識しています。従来のテクノロジーの進化は、「便利」、「時短」に重きが置かれていました。それは当時の時代背景や価値観から妥当だったでしょうし、今後も必要な価値だと思います。一方その価値観を一旦Unlearnして世界を見ると、今は小さい兆しでも、顧客・社会が真に求める深いニーズにアプローチするテクロノジーも重要だと感じます。例えば、これからのテクロノジーの進化は、むしろ料理や食べることが楽しくなるであったり、自分の料理の腕前の成長や食のストーリーが実感できるであったり、家族とのコミュニケーションが進んで、くらしに笑顔が増えるというためにありたいと、個人的に思っています。

「スマートキッチンは広く普及するか?大企業の中で事業を創っていくのは苦労が多いと思うが、実際は?」

スマートキッチンについては、現状のまず繋ぎましたという域から、なくてはならない顧客価値を起点に個々のサービスが繋がれるか、でしょうか。ただ、まずやってみるのが大事。不確実だからと検討ばかりで実行に至らないのが「大企業あるある」ですが、我々は仮説ベースにアクションをどんどん進めています。日々試行錯誤をしてノウハウを蓄積し、スピードは上がりつつあります。市場の考え方は、新しい価値はまずロングテールから起こるので、既存の大きな市場を狙うのでなくターゲットを絞ります。そして深く課題や価値を掘り下げ、「最初の100人のユーザー」、「それがなくてはならない」という顧客を獲得しにいくスタンスを取っています。大企業の中で進めるのは苦労もありますが、事業の将来の拡張性はストレッチし、足元はリーンスタートに拘るというように、時間軸を切り分けてコミュニケーションするのがポイントだと考えています。

FoodQに参加して思う、今のGame Changer Catapultに必要なこと

今回、「食」「イノベーション」の切り口で、素敵な方々と深い議論ができたことはとても貴重な体験でした。我々が進めている事業アイディアへのヒントも色々とあったので、活かしていきます。加えて、以下の3点を学びました。

自分が鍛えられるアウトプットの場:「思考の整理」「伝える力を磨く」「フィードバックを得る」

時々、外部イベントに登壇する機会を頂きますが、趣旨・オーディエンスは毎回違います。そのため、我々の考えや活動内容を、参加者を想定し、どうしたら伝わりやすいかをその度に考えます。その結果、思考が整理される実感があります。また、一方的なお話ではなく、Q&Aや懇親会で参加者から直接フィードバックを頂ける場は有益です。様々な示唆が得られ、私たちが価値・課題と考えている仮説の「刺さり具合」が実感できます。スピーディーな価値検証が我々の目指す所ですので、質の高いフィードバックを最速で得るため、我々はさらに"伝える力"を磨く必要があると思います。また、今回のようなアウトプットの場は積極的に活かしていきます。

知の探索:自らコミットするGive Firstが、より深いつながりに

関心のあるイベントなどへまず行ってみることが知の探索の1歩目として、そこから事業アイディアの価値検証や人とのつながりを紡いでいくには、まず自分が何を価値貢献できるか、プラス行動するか、のコミットが大切と思います。Give Firstということです。日々の活動でこうした価値貢献+行動を実践することで、接する人たちとより深くつながり、こうした場にお声がけも頂き、さらにその輪が広がっていくのを実感します。実際に、アグリホールディングスさんへのカジュアルな提案を通じ、OniRobotの実演オフ会も実現しました。「知の探索」を探索で終わらせない1つの方法としては、自分は何をGiveできるか、向き合うことかも知れません。

実行スピードの加速:大企業の出島ならではのSpeed Starの模索

アグリホールディングスさん、Base Foodさんともに、本当にビジネス展開のスピードが早いと感じました。会社の規模に違いはあれど、世の中の常識はむしろそちら側で、私たちはまだまだ遅すぎる。また、スマートキッチンサミットジャパンを企画するシグマクシスさんは、様々なプレイヤーが参加できるコミュニティをスピーディーに作りあげ、情報や人の交流ハブになる新たな価値を創出しています。こうした方々と接点を持ち、共創しながら新しい価値をスピーディーにカタチにしていくのが、大企業の出島としての我々の役割だと思います。色々と制約はありますが、Game Changer Catapultのメンバー1人ひとりが自律自走できるSpeed Starの集まりへと進化することを目指します。

最後に、当たり前ですが「常に学び続ける必要がある」ことを改めて実感しました。「知の探索」強化を日々意識し、外との接点を作っている我々ですが、やってみて改めて気づく課題、意外な可能性、そして得られるつながりがあります。今後も積極的に学びつつ、スピード感を持って事業づくりに挑んでいきます。ご期待ください。

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*Food Qとは?

「ビジネス創造を目指し多種多様な人材が集う「BASE Q」。そこに設けられた Q KITCHEN を舞台に、食の可能性を追求するセッションが開催されました。8 日間に渡って 8つのテーマを掲げ、多角的に「食」を見つめ直すことで、これからの食の在り方を考えます。異業種・異分野の方々による新しい視点を持ち寄り、「話す」「食べる」「試す」を通して、参加者全員が一体となり、社会課題に対する向き合い方や食の未来への導きに繋がることを狙います。」

出展:公式サイトhttps://www.hibiya.tokyo-midtown.com/foodq/

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