Vol.1 パーソンズ美術大学とのコラボレーション始まる

パナソニックとパーソンズ美術大学によるウェルネス分野でのウェアラブルデバイス開発について8話にわたってレポートします。プロトタイプページでご紹介している製品がどのようなプロセスで生まれのか、開発秘話を合わせてお楽しみください。

コラボレーションのはじまり

Wellness Support(ウェルネスサポート)は、社外との協創によるオープンイノベーションや社内でのボトムアップによる新しい事業アイディアの発掘によって新規事業を創造するGame Changer Catapult(ゲーム・チェンジャー・カタパルト)内のプロジェクトとしてスタートしました。新規事業を創造するにあたって、プロジェクトメンバーはウェルネスという言葉にこだわりました。ウェルネスは、心と体のバランスやそれを支える健康的なライフスタイルまでを含んだより包括的な意味での健康を指します。

ウェルネスサポートがプロトタイプを開発する第一弾として、なぜNew Yorkのパーソンズ美術大学とコラボレーションするのか、パナソニックのメンバーとパーソンズの教授陣にインタビューをしました。

 

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(左)エンジニア 森本高志 (右)プロジェクトリーダー秋元伸浩

プロジェクトリーダー秋元 伸浩は、まずパナソニックが大切にする価値観について話します。「パナソニックの歴史は100年になりますが、その歴史のなかでつねに人々の暮らしを豊かにすることを目標にしてきました。製品を改善し続けることで、豊かなライフスタイルと幸せな生活文化を提供することが私たちのDNAとして受け継がれています。」

「新規の事業領域においても、ユーザーのライフスタイルが中心にある考えは変わりません。その上で、新たな視点を取り入れるためにユーザー中心設計(Human Centered Design)のプロセスを熟知し、ユーザーのために魅力的な物語を一緒に描けるパートナーを探していました。」

イノベーションに欠かせないのが、デザインとエンジニアリングの統合

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パーソンズ学生たちとパナソニックメンバーの議論の様子

パーソンズ美術大学とのパートナーシップは、パナソニックのメンバーが大学を訪れ、彼らのデザインとエンジニアリングを統合したプロセスに共感したことから始まりました。

パーソンズ美術大学では、デザインとエンジニア分野の学生がともにアウトプットを形にすることで新しい可能性を広げ、既存の枠や習慣にとらわれない本質的な解決策を考えることを重視しています。パナソニック UXデザイナーの浅野 花歩はこう振り返ります。

「学生たちが分野を越えて一緒にデザインに取り組むことで、ひとりのデザイナーよりも広い視点でのユーザー体験やエコシステム全体を考えることができます。それはウェルネス分野での製品やサービスを考える上でとても重要だと思いました。」

bk01_bd06.png(左)エンジニア 小川 智輝 (右)UXデザイナー 浅野 花歩

今回のプロジェクトにおいて学生たちをリードするパーソンズ美術大学・非常勤講師のShaun FlynnとKiersten Nashも浅野の意見に同意します。「工業デザイン、デザインマネージメント、テクノロジーを専門とする学生たちがひとつのチームになることは、イノベーションを生み出すうえで非常に重要です。さらに、学生たちにはデザインをするうえで自分たちの文化的な背景も大切にするよう話しています。」

学生たちが生み出す新しい物語

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(左)パーソンズ非常勤講師 Kiersten Nash(右)プログラム・ディレクターKyle Li

プログラム・ディレクターKyle Li も、パーソンズ美術大学の特徴を補足します。

「エンジニアは通常、ユーザー体験やテクノロジーをどう生活に浸透させるかといったことには関わりません。彼らにとってのゴールはより多くの技術やハードウェアを生み出すことにあります。しかしパーソンズでは、学生たちの専門領域は肩書きや学部に限定されるのではなく、チーム内で自分の役割を定義します。その過程でノウハウや経験を積んでいきます。」

「さらに、今までのテクノロジー先行型の製品開発は最終的な製品になったときに "物語の一部"が欠けていることが多かったのですが、ここではいつもユーザーが中心であり、デザインの最終目的なのです。それが私たちの強みであり、私たちがコラボレーションするパートナーにとっても魅力なのだと思います。私たちデザイナーが、ユーザーとともにどんな"新しい物語"を生み出してくれるかに期待をしてくれています。」

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学生へのフィードバックをおこなうパナソニックメンバー

ウェルネス分野における製品のデザインは、クリアすべき課題が多い領域です。なぜなら、健康は一過性のゴールではなく生活習慣やよりよい健康ライフスタイルをユーザーに維持してもらうことが必要だからです。

どうすれば健康的なライフスタイルをサポートしながらユーザーのWellbeing(幸せ)に貢献できるか?Shaun教授はこう続けます。「Wellbeing(幸せ)について考えるには、病気を予防するライフスタイルと、病気を治療するヘルスケアの両者を捉える必要があります。その両者の間をじっと深く見つめるためにはデザイン思考が欠かせないのです。」

その問いを深く掘り下げるために、パナソニックとパーソンズ美術大学とのコラボレーションが始まります。どんなプロタイプが開発されるかはまだまだ未知数です。さらに、全6チームから選ばれた2チームのプロトタイプは、2017年3月アメリカのAustinで開催されるSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)と本ウェブサイトで公表されます。

私たちのコラボレーションは始まったばかり。Vol.2のBackstoryに続きます!(3月15日に公開)

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