Sep 8, 2020

「食品で健康と笑顔を届けたい」大企業発の新規事業に挑戦するミツバチプロダクツの一貫した信念

Game Changer Catapult

「食品で健康と笑顔を届けたい」大企業発の新規事業に挑戦するミツバチプロダクツの一貫した信念

ミツバチプロダクツ株式会社 浦 はつみ

いよいよ第2期の販売スタート

はじめまして。ミツバチプロダクツ株式会社(以下、ミツバチプロダクツ)の浦はつみです。私はパナソニックの新規事業創出活動Game Changer Catapult(以下、GCカタパルト)のビジネスコンテストに参加したことがきっかけとなり、2018年にミツバチプロダクツを設立。現在、「INFINI MIX(インフィニミックス)」というチョコレートドリンクマシンの製造・販売事業とチョコレートを飲む習慣の普及に取り組んでいます。期待と不安をもってリリースしたINFINI MIXの第1期製造分はおかげさまで完売し、この度第2期分の販売を行えることになりました。今回はビジネスコンテスト1期生として、アイデアをいかにして事業化したのか、その取り組みについて紹介します。

独自開発の技術と高いデザイン性を両立

Picture of chaptar1-image1_独自開発の技術と高いデザイン性を両立

INFINI MIXの企画はパナソニック在籍時からの「食品で健康と笑顔を届けたい」という思いから一貫したものですが、さまざまな種類のチョコレートを溶かすため、ミキサーとスチームのバランス調整など、その製品開発には課題も多くありました。最終的には当社独自のスチームブレンダー機構(特許出願中)を開発し、たった30秒程度で濃密なアロマが薫るチョコレートドリンクを提供することが可能になり、通常は10分程度必要だった調理時間が大幅に短縮されました。
スチームブレンダー機構と同じくらいこだわったのは、マシンのデザイン性です。シンプルでコンパクトな「パティシエが隣にいる」というコンセプトをもとに、黄金比に裏打ちされた重厚感のあるスタイリッシュなデザインを追求しました。

Picture of chaptar1-image2_独自開発の技術と高いデザイン性を両立

INIFINI MIXのデザインを担当頂いたダグラスさんは、アメリカの某大手IT企業のデザイナーを経て、日本に移住された天才肌の方です。ダグラスさんとはとあるイベントで知り合い、その場で意気投合したのですが、今回あらためてINIFINI MIXのデザインを依頼したところ、天才らしいマイペースなところもあり、2週間ほどしてようやく首を縦に振ってもらえました。今にして思えば、あの「待機時間」だった2週間が一番大変だったかもしれません。

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しかし、ダグラスさんは「使う人が誇りを持てるマシンに」というオーダーにしっかり応えてくれました。後は必死になって、なんとか約2カ月でプロトタイプを仕上げると、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」でお披露目。そして第1期販売へと走り続けました。まだ道半ばですので本当の達成感はありませんが、第1期の50台が完売したときは嬉しかったですね。

さらに第2期分では、お客様の声を反映し、ブレンダーの静音化や、スチームタンクの強度アップなど、さまざまな改良を加えました。ほかにも細かい部分に手を入れていますが、ユーザー側からだけではなく、マシンの製造現場にもヒアリングをして、スムーズに組み立てできるような設計変更も行いました。自分たちが製造部門や工場を持っているわけではないので、委託先の現場の声を聞くことは非常に大切だと感じました。

Picture of chaptar1-image3_独自開発の技術と高いデザイン性を両立

もっとお客様にチョコレートドリンクを楽しんでいただくために、料理専門家の監修によるレシピを開発。思わず手に取りたくなるよう、デザインにも配慮したレシピ本も準備していますので、さまざまな香り高いドリンクを味わっていただけると思います。
個人的には、ほうじ茶や紅茶とミックスした「チョコティー」がおススメですね。チョコレートドリンクは本来濃厚ですが、日本人に親しみのあるお茶と組み合わせることで飲みやすくなり、より味わい深くなっています。機会があればぜひ、試してみてください。

コンテストに参加する仲間が心の支えに

Picture of chaptar2-image_コンテストに参加する仲間が心の支えに

INFINI MIX開発のきっかけはGCカタパルトのビジネスコンテストなのですが、コンテストに応募したのはチョコレートマシンではなく、発酵食品である「甘酒」のアイデアでした。これも同じく「食品で健康と笑顔を届けたい」という思いから生まれたものですが、グローバル展開を考えると、甘酒に必要な麹を手配することが意外に難しいことが判明したため、海外では非常にポピュラーでありながら、日本ではまだそれほど馴染みの深くないチョコレートドリンクに着目し、方向転換をしました。
コンテストでは、食への思いに共感してくれたメンバーがなによりありがたい存在でしたし、社内に「新規事業を生み出したい」と考えている多くの仲間がいると分かったのは、精神的な支えになりました。新規事業に挑戦できる環境と、会社の幹部に自分たちの思いを知ってもらう機会を与えてもらえて本当に良かったと思っています。
たとえ選考を通過できなくても、様々な部署の人と協同し、上司や関係者にアイデアを伝える経験は、自分の仕事にも活かすことができると思いますし、そこがコンテスト参加のメリットでもあると感じています。

アイデア実現へ「自分の責任で挑む」

Picture of chaptar3-image_アイデア実現へ「自分の責任で挑む」

コンテスト参加後、自身の思いを実現するためにパナソニックを休職し、新規事業支援会社のBeeEdge社からの出資を受け、ミツバチプロダクツを設立しました。これまでは会社に守られていた部分もあるので不安もありましたが、人生は一度きり。何をするにしても他人や環境のせいにすることなく、「自分の責任で挑むべきだ」という強い思いに駆られ、決断しました。

「食品で健康と笑顔を届けたい」という信念

Picture of chaptar4-image_「食品で健康と笑顔を届けたい」という信念

それからは本当に多忙な毎日です。ミツバチプロダクツは「新しい食文化を生み出す」ことを理念としています。健康で笑顔あふれる社会の実現を目指すとともに、チョコレートを飲むことが文化になれば、働く場所を提供することもできます。例えばコーヒーの「バリスタ」やワインの「ソムリエ」のように、文化に昇華したことで一般に浸透した職業がありますよね。INFINI MIXでチョコレートドリンクを作る人が「ショコラリスタ」として認知され、広まってほしいと思っています。
実はチョコレートは飲み物としての歴史の方が古く、固形のお菓子として身近になったのは1800年代になってから。それ以前はカカオ豆から作るドリンクでした。ですから、チョコレート文化の原点を現代に再現したものがINFINI MIXだと言えるかもしれないですね。とは言え、文化として定着させるための活動はこれから本格化させなければなりません。そのため、マシンの使い方だけでなく、レシピの提供や人材育成を支えるトータルサービスが必要になります。

今後はそれらを含めて、総合的にサポートする環境を整えていきます。9月にはマイナーチェンジした第2期のINIFINI MIXの紹介と独自開発したチョコレートとマシンをセットで提供する月額課金制のサービスをローンチします。

「やりたいと思ったことは、伝えきって」

最後になりますが、ビジネスコンテストを経験して「やりたいと思ったことは、伝えきった方が良い」と実感しました。それに加えて社員として、会社に貢献するという観点も必要です。なぜやりたいのか、どの様に会社に貢献できるのかを伝えることや積極的に提言することは、新規事業創出にかかわらず、社員の務めだと思います。最初から完璧なアイデアはそうそうありません。チームメンバー全員でブラッシュアップしていくことが大切です。
私もGCカタパルト出身の「カタパリスト」として皆さんの挑戦を応援しています。諦めずに頑張ってください。

ミツバチプロダクツ(株)ホームページ

INFINI MIX(インフィニミックス)

GCカタパルトのビジネスコンテスト参加をきっかけに誕生した、本格チョコレートドリンクの手軽な調理を実現する家電。独自のスチームブレンダー機構により、短時間で出来立ての香り高いチョコレートドリンクを提供。ディテールにこだわった高いデザイン性で、操作もシンプルな設計に。2020年9月9日(水)より第2期販売がスタート。

INIFINI MIX

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