Feb 18, 2019

Howling Boxで実現したい、音楽を通じたリアルなつながり

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Howling Boxで実現したい、音楽を通じたリアルなつながり

Written by Howling Box リーダー 溝口 仁也/

私達の「Howling Box」はジュークボックスにインスピレーションを得た、店舗向け音楽リクエストシステムです。このHowling Boxはリクエストされた音楽を再生するだけではなく、その場(店舗)でのコミュニティ形成やコミュニケーションを促すことで音楽を共有するという新たな体験を生み出すサービスです。

現代のコミュニケーションの在り方への疑問と、音楽の楽しみ方の変化

今はSNSを使えばどこにいる誰とでも簡単に繋がれる時代です。平成30年度版に発行された総務省『情報通信白書』内のソーシャルメディアの利用状況に関する調査によれば、「少しでも利用している人」の割合はLINEが60%、FacebookやTwitterも40%を上回ります。アメリカではFacebookを少しでも利用している人は9割近くになるそうです。*1しかし、人と人とのコミュニケーションとはソーシャルメディアの発達で本当に豊かになっているのか、という疑問が私には湧きます。

個人的に、コミュニケーションとは相手の表情や視線、言葉のちょっとした違和感を汲み取ったり、一緒に感情を協調させて楽しんだり、そういうリアルタイムな相互性が醍醐味だと思うんです。一方でソーシャルメディアは映像や写真、文字のやり取りがメイン。顔や空気感の見えないコミュニケーションではどうしても伝えられることに限界があるのではないかと思います。そう考えた時にface to faceというのがコミュニケーションにおいて重要な要素なのではないか、そう再認識したんです。(そんなことを考えるようになったのは僕が社会人になり、ひとり群馬に行くことになったからなのですが、それは後ほどお話します。)

音楽の楽しみ方もコミュニケーションの変化と同じように、インターネットやデジタル技術の発達によって大きく変化しています。既に多くの方が使われていると思いますが、ストリーミング中心の音楽配信サービスというものがどんどん普及しています。これは一見すごく便利で、音楽を楽しむ場面が増えたと思いがちですが、実はそうでもない、というのが僕の見解です。CDを買って、楽しみに家に帰って、どきどきしながらテープを切って、プレーヤーにセットして音楽を聴く。極端に言うとそのプロセス全てが楽しかったのに、今では知らない曲も知っている曲も全部スマホの画面をタップするだけで聴けてしまう。そういったシンプルすぎるプロセスが音楽を"楽しんで聴く"という機会を奪ってしまっているのではないかと考えています。

音楽を思いっきり楽しんだ大学時代と、社会人になってからの気づき

私自身の話になるのですが、僕は大学生の時に軽音サークルに所属してギターを弾いたり、歌を歌ったりしていました。大学時代は音楽漬けの日々を送っていたといえます。勉強以外の大学で過ごした時間のうち大半は大学の音楽スタジオで過ごしていました。幾度となくライブをしたり、自分や友達が好きな音楽について語り合ったりしました。ライブが終われば「今日すげーかっこよかったよ」とか「うまくなった」とかそんな話しで盛り上がり、次はどんな曲が演奏したいとか、今度やりたい曲あるから聞いてよとか、そんな話をしながら、友達と語り明かした夜は数え切れません。特に、飲み会で最近買ったCDが良かったとか、最近行ったライブの対バン(ライブを行うときに単独ではなく複数のバンドで開催することをこう呼びます)相手がどうだったとか、そういう話しをしているときが一番楽しかったです。次のライブのモチベーションにもなるし、仲間がいてよかったとも思える瞬間です。

01_学生時代のライブ中の写真_During the live in student age.JPG大学時代のライブ中の写真

そんな僕に大きな転機が訪れたのは大学を卒業して就職したときです。配属先はおそらく東京か大阪だろう、そう予想していた僕にとって、配属先が縁もゆかりもない群馬だったときはかなり驚愕しました。(正直ちょっと絶望しました。)

1~2年はなれない土地での仕事に必死だったので特に考えなかったのですが、少し生活にも余裕が出てきた3年目頃から、もう一度音楽を楽しみたいなと思うようになりました。

もちろん、群馬に行ってから音楽を聞かなくなったわけではありません。スマホで定額制の音楽配信サービスに加入したり、YouTubeで最新の曲を聴き漁ったりはしていたのですが、学生の時の音楽の楽しさとは性質が全然違うと感じていました。そこで、それは何故かと考えたんです。

思い返してみると、僕が「音楽を楽しんでいる」と感じるシーンは、地元に戻ったりして友達や後輩と話すときに、最近見つけたアーティストとかバンド、曲とかを薦めたりして盛り上がっている時なんです。その時、僕はただ聴くために音楽を聞いているのではない、と感じました。久々に会った友達とはなしをするため、自分がどういう音楽を見つけたとかそういうことを語り合ったり、共感しあったりするのが楽しくて音楽を聞いていたんだな、と思ったのです。群馬の家で、一人でYouTubeを見て、ビビッときた動画をSNSで共有したりすることもありましたが、そんなことでは全く得られない、生の共感というものを欲していたんだと思います。純粋に音楽を聴いているときだけが楽しいわけではない、音楽を通じてリアルなコミュニケーションをとること含めて楽しいんだ、というのは僕にとって大きな気づきでした。

やはり音楽は、コミュニケーションの一つの手段なんだ、相手がいてこその共感も楽しみの一つなんだ、と感じました。これが僕がHowling Boxという事業の構想を考え始めるきっかけとなった原体験です。

「音楽を人と共有する、リアルなつながり」同じ想いを持つエイベックスさんとの出会い

02_エイベックスさんとの打ち合わせの様子_Meeting at Avex.jpgエイベックスさんとの打ち合わせの様子

「音楽を人と共有する、リアルなつながりや体験を生み出したい」、そんな想いを持ったこの事業は、音楽コンテンツを有するレコード会社にも協業パートナーとして理解してもらえるのではないかと考え、片っ端からレコード会社にWEBサイトで問い合わせを行いました。そんな中返信をいただけたのは3社で、特に共感を持っていただいたのがエイベックスさんでした。最初は僕たちチームだけの想いでしたが、実は、様々な音楽事業を展開するエイベックスさんでも同じ様な議論がなされていたことが、打ち合わせの機会をいただいた時にわかりました。

レコードメーカーとしてのエイベックスさんのビジネスは、一言でいうと「音源のコピーを売ってお金を得る」というものです。しかし、インターネットが発達した今、コピーを売る(CDを作る)という事業の価値は低下しつつあるという課題があるそうです。

実は、20世紀初頭にも、これと同じ様な現象が起こっています。1900年代前半、アメリカでレコード産業が本格化し、「演奏」というコト消費を「音源(=レコード)」というモノ購入に変えた20年後にラジオ放送が普及しました。放送という形態は聴くというコトを、B to C上は無料化してしまったために、レコードの売上が低下してしまったのです。その時、レコード産業を救ったのはジュークボックスでした。それは「音源を聴くコト」に「音楽体験を共有するコト」という付加価値を与えたのです。90年前に、レコードとラジオ放送で起こったこの現象と酷似した状況が、現在、CDとYouTubeや定額制の音楽配信サービスとの間で起こっていると、エイベックスさんは捉えています。「多くの音源に安価で手軽にアクセスできる=全世界の音源を常にモバイルできる」いう新たな放送がコト事業化され、音"源"業界は危機にさらされています。エイベックスさんの中では、これを救いだすのもまたジュークボックのような新たな共有体験を提示するサービスであり、そのような新しい価値を創り出す必要があるという結論に至っていました。

私達のHowling Boxはまさに同じ思想を共有しています。「音楽を聴く」というコトを、「共有する音楽体験」というさらなる付加価値のついたコトへ変化させようとしているのです。この共感をきっかけに、エイベックスさんからは東京の実店舗での検証などHowling Boxを事業化するためのコラボレーションを進めています。

Howling Boxが目指す世界とは

このHowling Boxはロックバーなどのミュージックバーへ導入してもらうことで、そこに来店するお客さんに、音楽をきっかけとしたコミュニティ形成の場を提供するということをめざしています。主な機能はジュークボックスの様な音楽リクエスト機能で、お客さん自信が聴きたい曲をその店舗で流せるというものです。私達はここにスマホアプリや、カウンターへ並べる「ランタン」というデバイスを付加させることで、より一層お客さん同士のコミュニケーションを活性化させることを狙っています。

例えば、他のお客さんのリクエストで流れている曲が自分の好きなバンドの曲、好みの曲だったりしたときに、リクエストした人に何かしら話しかけたかったり、リアクションしたいという様な事があると思います。その時にこの「ランタン」というデバイスで誰がリクエストしたのかを光で表示させることにより、コミュニケーションの活性化に役立てられます。

また、「同じ音楽が好きな人が集まる」という特徴をフックに店舗へ人を集めて、コミュニケーションを更に活性化させる、という機能を考え出しました。今までのお店選びの方法といえばグルメサイトや地図アプリで場所を調べて、ユーザーのレビューや、料理の内容、値段といった要素から決めていたと思います。このHowling Boxがあれば、そのお店でリクエストされた曲や、店内の再生曲ログ、ランキングなどをお店選びの一つのポイントとして表示することができるのです。お店選びの要素として「音楽」という新たな要素を付加することで、同じ曲が好きな人や気が合いそうな人をそのお店へ集めることができます。そして、来店したお客さんがリクエストを行い、お客さん同士でコミュニケーションを取ることにより、そのお店のコミュニティの形成を促進します。

これまで一人ではなかなか飲みに行くことのなかった人が、これをきっかけとしてバーに行ってみたり、そこで初対面の人とのコミュニケーションのきっかけになったりする。そしてそのお店の常連になって、いつでも立ち寄りたくなるようなコミュニティが形成される。Howling Boxがあることでそういうシーンが全国、全世界に広がることを僕は夢見て、事業化に向けて邁進しています。興味を持ってくださった方は、ぜひ応援してください。

03_Howling Box_Logo.png

*1平成30年度版総務省『情報通信白書』「ソーシャルメディアの利用状況」

各調査にて「まったく利用していない人」以外の割合を「少しでも利用している人」として算出

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142210.html

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