Feb 14, 2019

大学生とのコラボレーションは大企業の新規事業アイデアをどうゲームチェンジさせたか? ~パナソニック X慶應義塾大学SFC~

Game Changer Catapult

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大学生とのコラボレーションは大企業の新規事業アイデアをどうゲームチェンジさせたか? ~パナソニック X慶應義塾大学SFC~

「大企業の新規事業アイデアを大学生が事業化に取り組んだら、どんなゲームチェンジが起こるのか?」2018年9月から2019年2月迄の6か月間、Game Changer Catapultと慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)総合政策学部琴坂将広准教授の講義を受講する学生が、「未来のカデン」に繋がる新たな事業アイデア創出に向けた協働取り組みを実施しました。

学生とのオープンイノベーション

Game Changer Catapultの活動を通じて、パナソニックでは社内からのボトムアップによる新しい事業アイデアが発掘されてきました。そしてその社内から生まれたアイデアを、社外との共創=オープンイノベーションでさらに磨き上げ、事業化を進めるべく、これまでSXSWや各種展示会、イベントに出展してきました。

そもそもオープンイノベーションは社内では見出せない隠れた顧客ニーズを掘り当てるために有効な手段として、社内とは異質の外部の知見、アイデアを活用するもの。異質差が大きければ大きいほど、通常では見出せなかった新たな顧客価値を生み出す可能性があると言えます。

ではパナソニックのような大企業と最も異質な集団=大学生とのオープンイノベーションにより何を生み出すことが出来るか?そんなゴールに向けてこのプロジェクトが立ち上がりました。

今回Game Changer Catapultとコラボレーションしたのは、既存の学問分野領域に囚われず実践を通して21世紀の実学を作り上げることを目標に掲げるSFCの中で、日本における経営戦略研究の第一人者である琴坂将広准教授と、その琴坂准教授曰く「SFC内で最も才能溢れ尖った学生」と評価され、このプロジェクトに参加した琴坂将広研究会のメンバー50人。この50人がアプライアンス社で事業化を目指す4つのテーマを題材に、各テーマ2チーム、合計8チームが、各テーマを担当するパナソニックのGame Changer Catapult社員をメンターとし、事業化を目指し、プロトタイプ作成迄取り組みました。

1_琴坂将広准教授と深田の対談の様子.jpg 琴坂准教授とGame Changer Catapult代表深田によるパネルディスカッション

各テーマに起きたゲームチェンジ

12月17日の最終報告会で発表された学生8チームの学生の自由な発想、アプローチは、大企業のパナソニックで働いてきた社員にとって、大きく想定や期待を超えたものした。彼らはそれぞれのテーマのコアバリューをおさえつつ、ゲームチェンジを起こし、彼ら世代ならではの悩みや、社会課題を明らかにし、その解決策の可能性を目に見える形で示してくれました。

ひとりひとりの気分や好みに応じてパーソナライズドされた音楽と香りを提供する「Aromation」は、音声、音楽、写真を記録することで心の健康状態を測定し、それをホログラムの花の色、香りと色で表現する「色と香りを届けるココロの家電=Palbum」へと生まれ変わりました。デジタルネイティブと呼ばれる大学生はSNS、スマートフォンの台頭により10年前と比較し、500倍を超える情報量の社会を生きています。彼らはSNSを駆使し、友人とのコミュニケーションをし、『もっと知りたい』という欲求を持つ一方で、とSNSによる疲労感を感じています。SNS依存が疑われる中高生は日本に実に約93万人、そして依存度が高い人はうつ病リスクが低い人に比べ2.7倍高いという調査結果があります。この問題を解決するためには外の向きのコミュニケーションではなく、自分の内面とコミュニケーションする時間や機会が必要です。ありのままの自分の思いを言葉にしたり、お気に入りの音楽を部屋でかけたり、写真を撮る等して、Palbumに情報を蓄積していくことで、パーソナライズドされたホログラムの花と香りが表現されます。その時々の花と香りはPerfume + Album=Palbumの名称のとおり、記録されていき、その時の記憶や思い出と香りを結び付け、心の病を未然に防ぐ手助けをするあなただけの色と香りのアルバムになります。

ゲームチェンジを起こしたテーマは、Aromationだけではありません。移動時間、待ち時間なく、いつでも安心・安全かつヘルシーで美味しいランチを提供し、ビジネスパーソンのランチ難民を救うアイデア「totteMEAL」は、そのランチをHubとして、組織やコミュニティー内のコミュニケーションを活性化するマッチングサービスアイデア「Letwork」に昇華されました。オフィスの昼休みの時間を有効に活用し、共通の課題やそれを解決する知見を持つ人と人を、一緒にランチするようマッチングすることを通じ、個人の、そしてその個人が所属する会社全体のクリエイティビティを向上させることができる。そんな期待ができるユニークなサービスアイデアが出来上がりました。

その他の事業アイデアも、学生達自らの視点で着想された課題から検討されたことで、広く社会課題の解決や社会変革に貢献し得るアイデアに広がっていき、まさに今回のプロジェクトで狙っていたゲームチェンジを起こすことが出来ました。

Slush Tokyo2019へ

最終発表と審査を経てGame Changer Catapultの代表の深田は、「SFCの学生は、パナソニック側の期待以上のものを見せてくれた。事業ビジョンが優れたものが多かったが、それこそがイノベーションを生み出すもの。今後の事業化に向けて一緒に頑張っていきたい。」とコメントし、琴坂准教授は「この数か月の間、パナソニックとSFC双方のメンバーが合宿も行って検討する等、通常経験することのできない貴重なプロジェクトだった。学生達の終盤の集中力は素晴らしく、Palbumのように今日の発表の場で目に見えるプロトタイプにまで仕上げた皆さんの実力を嬉しく思う。」とコメントしました。

最終報告会で優秀テーマに選出された上述の3つの事業アイデアは、プロトタイプやコンセプトの形で2月22日、23日に開催される「Slush Tokyo 2019」※2に出展されます。

パナソニックという大企業の新規事業アイデアを起点に、大学生が実際に事業化することを目指す、極めてチャレンジングで価値ある取り組みは、今後このGame Changer Catapult公式サイトにて発信していきますので、是非ご注目ください。

2_All the members' photo_集合写真.jpg コラボレーションプロジェクトの受講生

*1慶應義塾大学総合政策学部 琴坂将広研究会について

琴坂将広准教授は、国際経営と経営戦略を専門としており、実務と研究を組み合わせた調査研究、社会貢献活動に取り組んでいます。琴坂将広研究会は、琴坂将広准教授のもとで、International Business & Entrepreneurship Research (IBER) をキーワードに、国際経営とアントレプレナーシップの結節点を戦略の観点から広く研究しています。

*2:Slush Tokyo2019について

北欧フィンランド発祥の世界最大級のスタートアップイベント。夢を掴もうとする国内外の才能溢れる人材、世界的なアントレプレナー、投資家、エグゼクティブ、企業、ジャーナリスト、学生等、自らの手で世界を変えようと燃えるあらゆる立場の人々が世界中から東京に集結し、コミュニティの勢いを更に加速させる今回のイベントは過去最大8,000人の規模になると見込まれます。

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