課題は顧客の前にのみ存在する。学びを胸に、新たな挑戦へGO! ―ONIGIRI GO 閉店のお知らせー

Game Changer Catapult

課題は顧客の前にのみ存在する。学びを胸に、新たな挑戦へGO! ―ONIGIRI GO 閉店のお知らせー

Written by ブランド戦略本部 Wonder推進室

Game Changer Catapultに応募し、SXSWにも出展したおにぎりロボット「OniRobot(オニロボ)」プロジェクト。 新橋での実証実験や、浜松町に出店した経緯や、メンバーの想いなどを聞きました。

Interview
プロジェクトを推進してきた、池野直也(写真後左)、加古さおり(写真前右)、渡邉正人(写真後右)に話を聞きました。

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オープンして2週間。世の中が想定外の事態に

前回の取材は、ちょうど新橋の店舗が開店したタイミングでした。あれから、どのような状況だったのでしょうか。

池野: 2020年2月、地道な分析を行って見つけた浜松町の地で、一号店をオープンしました。出だしは順調で、来客数は毎週1.5倍ずつ増加し、KPI達成も見えていました。立地だけでなく私達のコンセプトが受け入れられている感触がありました。しかし、2020年2月と言えば、新型コロナウイルスの感染が拡大したタイミング。オフィス街である浜松町はどんどん人通りが減っていき、パナソニックの社員である我々も営業ができない状態に。開店から14日程度で休業を余儀なくされました。

加古: 店舗に行くこともできず、ヤキモキしながら過ごしていました。「店の中でねずみが運動会をしているのでは...」などと心配しつつも、何もできなかったですね。

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浜松町のONIGIRI GO 一号店。
狭小省人・非接触型の飲食店運営ソリューションの実証実験を本格スタートした頃。

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店内は、1名が作業できるほどのスペースで受取カウンターのみ。
機器や備品もなくすっきりとした空間でした。

池野: 一度目の緊急事態宣言が明けた後、6月から2カ月間は営業を再開しましたが、店の前の通行量は激減しコロナ前の3割以下になっていました。この店舗で見極めたかったことは、日本全国どこに出店しても儲かるビジネスかどうか。この状況下では評価することができません。オフィス街を離れて人の居住エリアに移動するか、ビジネスの業態を変えるか、など検討しましたが、12月末にプロジェクトを中断する判断をしました。

加古: 我々がこれからのモデルだと思い目指していた「省人狭小型、非接触型の店舗」が、コロナ禍で一般的になりつつあることも一因です。街の飲食店がこぞって参入してしまい、先発優位性が薄れてしまったんですね。

パナソニックではあり得なかったスタイルが大きな学び

取材で追いかけてきた我々も残念です。でも、このプロジェクトを通しての学びは多かったのでは?

渡邉: お客様と直接対峙することの重要性は身をもって知りました。メンバーや専門家の方とも事前に様々な想定をしていましたが、それでも営業してみて分かることはすごく多くて。
例えばマーケティングに関して言えば、Google広告やSNSなどあらゆる施策を試しましたが、一番即効性があって効いたのは手配りのチラシ。改善点や想定外のことも、お客様と対峙することで気づかせて頂きましたね。

池野: いくら会議室で考えても分からないことはたくさんあって。未完成の状態でもお客さんに見て頂きながら、改善を繰り返していました。

加古: これは普段の商品開発では絶対にやらない手法です。常に調べつくしてベストを出すのではなく、不完全なものを出して調整を繰り返す。初めは本当に良いのだろうかと不安になりましたが、これが良いのだと。お客さんのいるところにしか、困りごとは落ちていないということを知りました。

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アプリ注文による非接触・キャッシュレスの価値を検証

池野: 人とのつながりにも学びがありました。我々は飲食店の経営なんてしたことがなく、店の立ち上げでなかなか業者さんが見つからなかった時も、意外な人が意外なネットワークを持っていて助けられることがありました。ネットワークを広げておくことの重要性を痛感しましたね。

加古: 不思議なもので、わらしべ長者のように皆さんがその時々に必要な紐を持っていました。それぞれがネットワークを広げたからこそ実現できたプロジェクトです。

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新橋でのスタッフィングは、一般社団法人おにぎり協会の方にお手伝いいただいた。

4年間の応援に感謝。そして、新たなスタートへ

今後の野望を教えてください。

池野: 実は既に、植物性ミルクに着目した新しいプロジェクトを検討しています。オニロボプロジェクトで得た顧客課題やニーズ、経験やつながりを活かして、今度こそ成功事例をつくりたいと思っています。

加古: これまではコンビニおにぎりの80億個市場を狙っていましたが、次は国内1.5兆円の牛乳市場を狙いに行こうと、大きな野望を抱いています。

オニロボプロジェクトを応援してくれた方々や、新規事業を始めたい方にメッセージをお願いします。

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池野: 新規事業で成功するのはハードルが高いです。我々も中断という結果になってしてしまいましたが、学んだことは多く、様々な方とつながることができました。ここで得た学びや人とのつながりを新たな事業に結び付けることで、社会や会社に貢献できると考えていますので、是非チャレンジしてもらえたらと思います。

渡邉: パナソニックでおにぎり屋さんをやろうとした時、正面から社内でやろうとしてもできなかったと思うんです。でも、社外で色々な人達の協力を得ながら、ここまで挑戦することができました。是非皆さんも「パナソニックでこれはできない」と諦めず、どうやったらできるだろうと考え、時には社外からヒントをもらいながら挑戦していただきたいと思います。

加古: オニロボプロジェクトから始まり、4年間色々な方に応援していただき最終的には店舗を出すことが出来ました。結果だけ見れば残念でしたが、ここでしか得ることのできなかった多くの学びをパナソニックに還元していきたいと思っています。
おにぎりというコンテンツの可能性は不変だと思っていますので、機が熟したらいつでもスタートできるよう、眠らせておこうと思います。これまで応援いただきありがとうございました!

取材を終えて・・・・

新橋の実証実験店舗がオープンした初日に、取材で伺った時のメンバーのイキイキとした笑顔が今でも鮮明に思い出されます。本当に一生懸命に、そして丁寧にお客様に接し、心からの"笑顔"と"感謝"で「おにぎり」を手渡しお客様を見送る姿、時にはお客様のお声に耳を傾ける姿は、小さい店舗だけども、ひとり一人が経営者としてこの商売のことを考え、真摯にお客様に向き合う姿そのものでした。それはまさに、幸之助創業者のお言葉にある「一商人の心を失ってはならない」につながる経営理念の実践だな~と感じました。メンバー自身が考え抜いて販売する「おにぎり」がお客様に受け入れてもらえるのか?売れるかどうかの不安と期待が交差する中で、最初に売れた時の感動はきっと忘れないはず・・・。その感動体験を胸に、次へのステップにチャレンジを続けていって欲しいと思います!

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