最終プレゼンテーションで選ばれたGöbie と SLEEPWISEは2017年3月9日から始まるSXSWの出展に向けて、ユーザーにプロトタイプのコンセプトをどう体験してもらうか試行錯誤と改善を続けています。
SLEEPWISEは５つのセンサーごとにデバイスが分かれていましたが、使用していないときにはひとつのユニットにまとまるよう大きくデザインを変更しました。滑らかで美しい石のようなデザインは、快適性もそなえていて、チームのメンバーたちは粘土で作った形を実際に着けて寝てみて、この形にいきつきました。SXSWまでにはシリコン製のプロトタイプを完成させる予定です。
SLEEPWISEのプロトタイプ
GöbieのSXSWでのゴールは、身体とアプリケーションの両方で「新たな人と人の交流を生み出す」という製品の目的を体験してもらうこと。そのために「Space Ship」に着想を得たゲームを開発。プロトタイプとジェスチャーを組み合わせたまったく新しい遊びです。「遊び×ウェルネス」という新しい視点を伝えるために、より体験型の展示でユーザーに楽しんでもらいながら、本来の製品としての価値を知ってもらうユーザーストーリーを描いています。
Göbieのアプリケーションを体験してみるパナソニックメンバー
SXSWへの準備期間は約１ヶ月半あまり。私たちがSXSWでプロトタイプを発表する目的は、訪問者にコンセプトを体験してもらい彼らからのフィードバックをもらうこと。そのための最善の方法として、プロトタイプを実際の製品として完成形に近づけるよりも、製品のコンセプトをどう魅力的に体感してもらうことができるかを優先することに決めました。
SLEEPWISEのプロトタイプに実際のセンサーを搭載する代わりに、展示用のテーブルトップを開発。SLEEPWISEのプロトタイプをそこに置くことで波紋のアニメーションと睡眠環境のデータが表示されます。日々のなかで睡眠をモニタリングすることのメリットを想起させるようなインスタレーションを準備しています。
SLEEPWISEはプロトタイプを置くと反応して情報を表示するインタラクションを開発中
２チームとも、普段の授業と並行して毎日遅くまでプロトタイプと展示方法を検証しています。そんな学生たちをサポートするために、ユーザー・インタラクションの専門家をアサイン。いよいよ準備も大詰めです。
SXSWでのユーザーストーリーをプレゼンテーションするSLEEPWISEのメンバー
パーソンズ美術大学 Kyle 教授に、「学生たちにはSXSWでどんな経験をして欲しいですか？」と尋ねると、こんな風に答えてくれました。「SXSWは、彼らが一生懸命に生み出したデザインが初めて外の世界の目に触れ、様々な意見に直面する究極の"対決"の場です。 展示ブースでは、訪問者からの厳しい質問、プロトタイプの誤作動など予想外の出来事がきっと起こると思いますが、そのような状況をどうにか乗り越えることも素晴らしい学習の機会です。 私も学生もその日が来るのを本当に楽しみにしています！」
コンセプトムービーの撮影をするGöbieのメンバー
さらにKlye教授はパナソニックとのコラボレーションによって、学生たちが大きく成長したと彼らを評価しています。
「このプロジェクトで学生たちはパナソニックという業界の"巨人"と対等に向き合いました。私たち教授はそのコミュニケーションをサポートし、パナソニックメンバーからのリアルなマーケット視点での質問に自分たちで答えを出してきました。彼らは最初のラフなアイデアから、イノベーションの可能性のある実際のプロトタイプへと形にすることができたのです。」
パーソンズ美術大学で打ち合わせをするGöbieとパナソニックのメンバー
最後に、GöbieにSXSWでの来場者に向けてのメッセージです。両チームとも、SXSWへの準備は万全。Vol.8ではSXSWの様子をレポートします。
「Göbieは遊びを通じてコミュニティー感覚やソーシャル・ウェルネスを向上させるまったく新しいウェアラブルです。ぜひSXSWで体験してみてください！」
