Vol.4 反復検証で見えてくる新たな可能性

イテレーション・プロセス

パーソンズ美術大学とのウェルネス製品の共同開発もいよいよ開発フェーズまで進んでいます。これからは実際の「形」を作り出すフェーズです。学生たちがプロトタイプ開発を行うラボは、Kiersten Nash教授の言葉を借りると「学生たちの好奇心で満たされた真っ白なボックス。創造的なコラボレーションにとって、不確定要素(uncertainty)や余白は欠かせないものです。」

※イテレーションプロセス(反復検証)とは、製品の試作品を作り、実際に使うことで問題点を発見しさらに改良するプロセスを繰り返すこと。

bk04_bd01.png

その「真っ白なボックス」では、3Dプリンターを使ったモックアップの開発、アプリケーションのUIデザイン、プログラミングが並行して行なわれています。

イノベーションの背景には、必ず短期間に改良を繰り返すプロセスがあるように、今回のプロジェクトでも、学生たちはテクノロジーとデザインの実現可能性を繰り返しテストし製品を改善します。中間発表では、教授たちからより効率的なテクノロジーやデザインはないかを厳しく問われます。

bk04_bd02.png

bk04_bd03.png

制限がもたらす発見


各チームが採用した技術について一部をご紹介すると・・・

  • 心の健康をテーマにしたチームHalcyonは、リラクゼーションや不安の解消をおこなうために、バーチャルリアリティ(VR)を採用。
  • 血圧をモニターするウェアラブルを考えるRebeatは、肌の表面に光をあてることによって血流をモニターする技術PPGを使ったプロトタイプを開発。
  • チームGobieはコミュニケーションを促進することをテーマに、Bluetoothやモーションセンサーなど既存のテクノロジーを組み合わせることで1年以内に製品化できることを目標にしています。

bk04_bd04.png体を張って!? テストをする学生

中間発表で教授や他チームからのアドバイスをもらい、引き続きプロトタイプ開発は進みます。開発とテストを複数回行い製品が進化していくなかで、新しいユーザーニーズが掘り起こされたケースもあります。

たとえば、チームHalcyonは「VRでのリラクゼーション」というコンセプトを提案しましたが、一般の人がヘッドセットを日常で着用することは実用的ではない部分に頭を悩ませていました。しかし、強いストレスを受ける特別な職業の人たちにとっては即座にその不安を解消する即効性にニーズがあると教授たちからアドバイスをもらい、当初は想定していなかった新たなニーズに基づき製品を改良しました。

bk04_bd05.pngVRとリラクゼーションをかけあわせた製品コンセプト

また、チームSleepwiseは睡眠の質を改善するウェアラブル製品を、出張が多いビジネスマン向けに開発していました。しかし、着用性を追求していくなかで製品を複数のモジュールに分けた(着用するパーツと、デスクなどに置くパーツ)ことで、より幅広いユーザーが利用できるような製品に改良されました。

bk04_bd06.png複数のモジュールでユーザーの睡眠環境をモニタリングし、スマート家電と連動する製品コンセプト

コンセプトとデザイン、そして開発と検証。それらをチームメンバーでほぼ同時に進行することで、私たちが想像していた以上に各チームの製品コンセプトが格段に改善されました。最終プレゼンテーションまでの時間も残り少し。最終プレゼンテーションで選ばれた2チームがSXSW 2017でプロトタイプを発表することができます。Vol.5ではその様子をお届けします!

Share

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+

Join us

  • Join!Hello Sunshine Challenge!

    Mar. 3, 2017

    news

    パナソニックは、ウェルネス分野における新たな商品・サービスの提供を目的としたウェルネスサポートを開始します。ウェルネスサポートは、人々が健康的なライフスタイルを送り、さらに家族や社会といったコミュニテ...

Contact

最新ニュースやイベントを各種ソーシャルメディアで発信中。
今すぐフォローして、コミュニティに参加!