Vol.3 ユーザーとして考えデザイナーとして手を動かす

アイディエーション・フェーズ

数日間にわたるユーザーインタビューやマーケットリサーチを経て、つぎはアイディエーション(※1)の段階に進みます。各チームが発見したインサイトをもとに、実現可能な製品コンセプトを考えるフェーズです。

アイディエーションに決まった「型」はありませんが欠かせない要素がひとつあります。それがインサイト(※2)です。ユーザーの行動観察など、リサーチ段階の気付きをポストイットに書き出し、共通点ごとにグルーピングしながら「なぜユーザーはそのような思考・行動をとるのか?」を掘り下げて考えていきます。

※1 アイディエーションとは、デザインの過程において具体的なプロダクトのコンセプト、機能、外観などを発案すること。

※2 インサイトとは、人が潜在的にもつ欲求や価値観かつ、製品のユーザーニーズとして今まで注目されていなかった新たな視点。

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インサイトから製品コンセプト、デザインへ

ポストイットに書かれた多くの事実を結びつけたり、また反対に解体したりしながら、今までになかった新しいインサイトを得ること。それが製品コンセプトのオリジナリティであり、核になります。

あるチームは、高血圧をもつ人たちへのインタビューを通じて彼らの半数以上が健康管理に気をつけるべきだとわかっていても、実行が難しいと感じていることに注目しました。「どうすればより簡単に、健康的な選択をしてもらうことができるか?」友人や家族をワークショップにも巻き込みながらコンセプトを考えていました。

インサイトをコンセプトに落とし込むうえで重要なことは?とNash教授に尋ねると、「人のありのままの姿に注目し、人間らしさを肯定すること。決してターゲットを最初から製品の"ユーザー"として見ないことです。」

インサイトはその後の製品コンセプト、デザインの方向性を左右します。医療に対するネガティブな意識に注目したチームもあれば、他者とつながっていたいと思う人間の根源的な欲求や、社会的な圧力によってライフスタイルや習慣が変化する点に注目したチームなど、その注目点がその後のアイデアに大きく反映されていました。

bk03_bd05.pngコンセプト開発と同時にデザインも進められる

さらにテクノロジーの実現可能性を検討

パーソンズ美術大学では、アイディエーションの段階でテクノロジーについても同時に検討します。どのような技術を採用すれば製品コンセプトを実現できるのかリサーチし、プロトタイプ(試作品)を作りながら検討します。

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様々なセンサーを実際に使いながら可能性を探る学生たち

Vol.4では、プロトタイプ開発の様子を引き続きレポートします!

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