Sep 24, 2020

DECARTE(デカルト)が導く歯の健康チェック習慣:カタパリスト達の現在地〈ビジネスコンテスト 3・4期生編〉Vol.1

Game Changer Catapult

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DECARTE(デカルト)が導く歯の健康チェック習慣:カタパリスト達の現在地〈ビジネスコンテスト 3・4期生編〉Vol.1

Written by DECARTE リーダー 大塚 泰雄

こんにちは。口腔ケアをサポートする「DECARTE(デカルト)」のプロジェクトリーダーの大塚です。DECARTEは、パナソニックの新規事業創出活動 Game Changer Catapult(以下、GCカタパルト)のビジネスコンテストで最終選考を通過した新規事業プロジェクトで、私たちはこのコンテストに挑んだ3期生となります。現在は事業化へ向けて、歯科医師など社外の方々とも連携しながら技術確立や社会実装に向けて取り組んでいます。今回は後輩「カタパリスト」を含め、社内起業を目指している方に少しでも参考になればと思い、DECARTEと私たちの経験を紹介していきます。

独自技術で歯のトラブル早期発見をサポート

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冒頭で少し触れましたが、DECARTEは、口腔内を自分で撮影して健康状態をチェックできる、口腔内セルフチェックシステムです。独自の光学・画像処理テクノロジーを搭載し、暗い口のなかの歯や歯茎を、接するような近い距離でも鮮明にとらえる撮像技術によって、クリアな画像で口腔内を「見える化」します。更に、歯科医師の技術やノウハウをAIに取り込んだ専用アプリが、口内健康に関するリスクやアドバイスをお知らせしてくれます。

このサービスの特徴としては、「自分で簡単撮影」「虫歯などのリスク通知」「自分に合ったアドバイス」と「画像を医師と共有」があります。これらの機能により、歯や歯茎のトラブルの早期発見が可能になります。

「社会に寄与すること」は技術者の使命

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日ごろ自分で行う身体のメンテナンスの中で、歯磨きは見えない部分が多い作業です。しかし、歯磨き粉のミントで清涼感を得ると、綺麗になったかどうか確認していないのに何となく満足してしまいがちです。ここが落とし穴。歯磨きを上手にできていないと虫歯や歯周病になるだけでなく、様々な疾患のリスクが高まることも知られています。

さらに、歯については、皮膚や骨と同じように回復する力「自己治癒力」に期待できません。一度虫歯になると、治療より補修と言った方がふさわしい処置が施されますが、それを繰り返すと「かけがえのない歯」を失うことになります。歯が失われると咀嚼能力が損なわれ、栄養摂取が不足するだけでなく、会話などの社会生活にも支障をきたします。つまり、「心と体の健康」と「お口」とは非常に密接な関係にあります。本当に欲しいのは「健康なお口」。
だとすれば、「磨かせっぱなし」ではだめです。「健康なお口」を維持するためには、定期的に歯医者さんに診てもらうのが理想ですが、何らかの事情で歯科医院に通えない人もいます。そんな人たちに向け、歯医者さんが治療前に目視で口腔内の状態を確認するのと同様に、自撮りカメラで口腔内を撮影し、それを基にアドバイスを返す。このシステムを構築することができればお困り事を解決できると思い、DECARTEを考案しました。

デジタル一眼カメラの開発プロジェクトリーダーだった私は、当社が持つ高い技術力を民生カメラだけに留めておくのは勿体無いと考えていました。例えばホームヘルスケア分野への展開はどうか。初期の虫歯や歯周病を撮影してAIで画像認識する。更に、ヘルスケア分野だけでなく、エイジフリー事業や食サービス事業と連携させるアイデアはどうかなど、考えを巡らせたりもしました。適用しやすい既存の領域に技術を留めておくのではなく、パナソニックの総合力を活かせる企画にして、事業横断型でお客様に価値を届ける機会を生み、全体に良い影響を与えるものにしたいと考えていたからです。

技術者の存在価値は新機能の開発や知財化など、「新しいコトを生み出す」ことだと思ってやってきました。さらに言えば、単に新しいコトだけでなく、パナソニックだからこそ実現できる「新たな価値」を創出し、それによって社会を変え、社会に貢献することが我々の使命だと信じています。

「お客様の生の声」がアイデアの信憑性を高める

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実際にビジネスコンテストに応募し選考を突破すると、その後の過程において考えなければならないことが非常に多くあることに改めて気付かされます。事業として成り立つのか、技術的な難易度や市場規模はどの程度か、顧客の真の悩みは何で、本質的に欲しがっているものは何か。誰も買ったことがないモノに対して、1人目の客は誰に想定すべきなのか。書類選考の応募に当たっては、口腔衛生まわりのお困りごとにはどんなものがあるのかについてネットで調べるなどして、応募用紙を仕上げました。

ただ、今振り返ってみると審査する人によりよく理解してもらうために、「顧客の生の声」を盛り込むべきだったかなと思います。情報元がネットや本などの二次情報ばかりだったため、手触り感の無い、脆い訴求しか出来ませんでした。顧客の生の声があれば、信憑性と説得力がはるかに増したと思います。スペースが限られている応募用紙に何を書くのかについてもいろいろ考えました。読み易いということはもちろん、目に留まるようにアイキャッチを盛り込むなどの工夫もしました。具体的には、歯の形をコラージュしたキャラクターと商品ロゴを考案し、それを選考用紙に載せました。

ビジネスコンテストに一人で臨むのは無理があると思います。やはりメンバーの支えが必要です。DECARTEのチーム編成では、自分とは考えの違う人に遠慮なく意見を言ってもらえるように、あえて「仲良し」な人を避けてメンバーを集めました。また、能力が高いだけでなく、新しいことに挑戦するマインドも高い人を選びました。結果として、多様な意見が集まることになり、それが発見や考察を多く生むことになりました。メンバーには本当に感謝しています。
ビジネスコンテストの活動は正直かなり大変です。通常業務だけでも相当キツい中、更にこの活動がアドオンされることになるので、負荷が許容量を超えそうになります(笑)。そうなると、上司の理解も必要です。メンバーの勧誘に当たっては、必要に応じて遠方でも直接出向き、メンバーになってほしい人の上司を交えて、何故メンバーに必要なのかを丁寧に説明し、理解を得るようにしました。筋を通して話したお陰で、メンバーもその後の活動に取り組み易くなったのではないかと思います。

チーム結成後は、可能な限りメンバーの意見も聞き、独断しない様に心掛けています。単に集合知が欲しいということではなく、私の足りない部分を補ってもらいつつメンバー全員が意見を交わすことで、チーム力を上げながら方針や目標や行動への姿勢を醸成する過程が何より尊い成果であることをメンバーが教えてくれたからです。


新規事業が現状を変える起爆剤に

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ビジネスコンテストの一連の過程が終了してからは、事業化に向けてこのシステムの要であるAI画像認識率の向上を目指し、ビッグデータの収集やより使いやすいユーザーインターフェースの構築など、より深い課題に取り組んでいます。撮像レンズなどカメラのハード部分の開発にも苦労しました。綺麗に撮れるだけでなく、医師が見て診断できる画質を確保することが求められるからです。

本格的に事業化しようとすると、縦割りの慣習など組織の課題も見えてきます。「今は "モノづくり" だけでも儲かるから "コトづくり" はまだやらなくても大丈夫」みたいな風潮などがその例です。新規事業の創出活動は、単なる新規ではなく、凝り固まった既成概念を変えるチャンスでもあると思います。トライアンドエラーや立ちはだかる壁をどう乗り越えるか、又は回避するかなど、産みの苦しみもありますが、次々と出てくる課題に対応していくことは、やり甲斐も大きいです。自分が成長できるというメリットに目を向けて、意識的にモチベーションを上げながら取り組むのが良いと思います。

「パナソニックの総合力で価値を提供したい」

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ここまでDECARTEを通じた新規事業活動についてお話しましたが、実のところ私の「やりたいこと」は新規事業を立ち上げること、そのものではありません。単一の新規案件をローンチさせるだけでは、効果が限定的だと思うからです。私は、事業領域が広いパナソニックだからこそ出来るサービスや、それによって生み出せる価値を世に送り出すきっかけを作ることに挑戦したいと考えています。当社の「総合力」が画餅であることは、多くの経験者の中で暗黙知となっています。その状態を放置したくない。独立採算は事業場運営の基本ですが、そのせいで、各事業体や部署や現場が「自分たちの成果」だけに固執してしまうと、ポテンシャルを活かしきることが出来ません。そうならないようにしたい。私が実現したいのは、新規事業創出活動を通じて、パナソニックの総合力を発揮して、我々だからこそ生み出せる新しい価値をお客様に提供することです。

ビジネスコンテストに参加出来る環境にある人は恵まれていると思います。通常業務に加えて新規事業にも関わるという機会はそうそうありませんから。その恵まれた環境を活かすかどうかは本人のやる気次第です。新規事業創出に関心があるのであれば、脳みそに汗かいてアイデアをひねり出して、躊躇することなく飛び込んで欲しいです。そうしてこのコンテストがどんどん活気づいてくれることを、私も1人のカタパリストとして、楽しみにしています。


DECARTE(デカルト)

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自分の口腔内を簡単に撮影でき、AI画像認識や専用アプリを通じたセルフチェックが可能な口腔内セルフチェックシステム。セルフメンテナンスへのアドバイスのほか、撮影した画像を歯科医師と共有することで、治療必要箇所の早期発見だけでなく早期治療にも貢献する。GCカタパルト3期生を中心に発足し、事業化へ向けて技術確立を進めている。

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カタパリストとは
GCカタパルト主催の社内ビジネスコンテストに参加経験者の総称。

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