Oct 28, 2018

23区内で働く人のランチ事情から考えた “ランチ難民”が生まれる現場

Game Changer Catapult

23区内で働く人のランチ事情から考えた “ランチ難民”が生まれる現場

Game Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト)の事業アイディアの一つである「totteMEAL」は、"食生活の課題解決"を目指しています。冷蔵庫に後付のIoTデバイスをとりつけ、アプリやフードを提供するサードパーティのパートナー様と連携することで提供する新たなフードソリューションです。忙しいビジネスパーソン一人ひとりに寄り添い、豊かな食生活をご提供することを目指しています。職場に、あるいはオフィスビルのレストランに「totteMEAL」が設置してあれば、アプリ一つで美味しくてヘルシーなお弁当を予約、購入していただくことが可能。また、設置していただくビルやレストランにとっても、決済と在庫の状況を管理する手間が省け、簡単にテイクアウトフードの提供が可能となります。そんな「totteMEAL」がコアターゲットとしているのが、オフィスでのランチ困窮者。「昼食がとれなかった」、「食べたいものが食べられなかった」という事態に陥っている、いわゆる"ランチ難民"です。

こうした方々に向けて、"働く人の健康状態を高める"という観点で、「totteMEAL」ができることとは? これから先どう役立つべきなのか検証するため、まずは今"ランチ難民"の方が置かれている状況を把握するべく、アンケート調査を実施しました。

【調査概要】

オンライン調査 / 東京23区内勤務 / 回答者数:405名 / 調査期間

年代構成:【20代】30%(女性19%、男性11%)、【30代】33%(女性15%、男性18%)、【40代】33%(女性16%、男性17%)

勤務先の最寄り駅:【新橋駅】、【東京駅】、【大手町駅】、【汐留駅】、【新宿駅】など

まずは、働く人の職場環境&ランチの実情を深掘り

オンライン調査で、東京23区内で働く400名余りのデータを収集。働いている場所・環境と共に、昼食の実態を聞いてみました。

Q.あなたの勤務先の建物の形態を教えてください。

  • 複数の企業が入っているオフィスビル  46%
  • 1社しか入っていないオフィスビル   23%
  • 複合商業施設のオフィスエリア     4%
  • 店舗                 7%
  • 決まっていない            4%
  • 工場                 2%
  • その他                14%

勤務先の形態については、約半数の46%が【複数の企業が入っているオフィスビル】。その半数である23%が【1社しか入っていないオフィスビル】で、両者を合わせると全体の約7割を占めます。オフィスがある階は、【地下または1階から3階】と【3階から10階】が、それぞれ30%と36%。【11階から20階】、【21階から30階】という高層階も14%と10%で、合わせて24%に上ります。

Q.あなたが昼食のために移動する場合、エレベーター往復にかかる平均時間はどれくらいですか?

1_昼食の移動時間に関するアンケート結果_Query result 1.jpg

昼食時、エレベータ往復にかかる平均時間は、【0分】~【3分】が過半数。複数台の併用による混雑緩和が伺えますが、一方で【5分】、【10分】という回答が多いことも見逃せません。やはり高層階になるほど、多くの待ち時間が発生することは避けられないのでしょう。

勤務中、昼食に使える休憩時間の形態はどうでしょうか?

Q.勤務中、昼食に使える休憩時間の形態は?

3_昼食時間に関するアンケート結果_Query result 3.jpg

最も多いのは、【昼食の時間帯は決まっているが、それ以外でも自由にとって良い】というケースで34%。【昼食の時間帯が決まっていて、その時間内しか昼食をとることができない】場合の30%を、わずかに上回っています。次いで、【昼食の時間帯は不規則だが、ある程度自分で決められる】が20%です。大まかに二分すると、「決められた時間にしか食べられない人」は34%で、「ある程度自分都合で好きな時間に食べられる人」は62%。わりと自由度が高いようです。しかし、昼食に使える時間は、大半の46%が【45分以上60分未満】。【30分以上45分未満】が19%、【15分以上30分未満】が15%と続きます。時間帯の融通が利く・利かないに関わらず、やはり"昼休憩は1時間"というのがスタンダードということでしょう。

限られた時間内で昼食をとるとなると、オフィス周りの飲食店・コンビニエンスストアの充実度は重要なポイント。「あなたの勤務しているオフィスの周りに飲食店・コンビニエンスストアなどの状況は?」という質問に対しては、【徒歩5分圏内に飲食店がある】という回答が圧倒的多数の68%に上り、【ビル内に社員食堂、飲食店、コンビニエンスストアがある】という回答も合わせて68%と、それぞれ高くなっています(社員食堂19%、飲食店22%、コンビニエンスストア27%)。

近場に飲食店やコンビニエンスストアが充実していることから、昼食時には【外食するために外出する】か、【コンビニエンスストア・移動販売などで昼食を購入するために外出する】のが主流。それぞれ48%、44%を占めます。但し、【弁当など、自宅から昼食を持参するため外出しない】25%や、【通勤時などに昼食を購入するため外出しない】9%など、全く外出しない派も一定数存在しています。それは、【社員食堂やオフィスビル内のレストランで昼食をとるため外出しない】9%を上回るほどです。

Q.一般的な勤務日の昼食に一番近いものを選んでください。

2_平均的な昼食に関するアンケート結果_Query result 2.jpg

普段の昼食に一番近いものを聞くと、上位は、【自宅から持参】26%、【コンビニエンスストアで購入し食べる】24%、【ビル外の飲食店で食べる】19%、【ビル内の社員食堂で食べる】14%という結果でした。【コンビニエンスストアで購入し食べる】、【コンビニエンスストア以外の店(パン屋等)で購入】、【移動販売を利用して購入する】場合、最もよく購入されるのは【おにぎり】60%。次いで、【弁当】57%、【パン】53%、【サンドイッチ】46%となります。【弁当】はともかく、手軽につまめるものでサッと済ませる人も多いようです。

リアルなランチ事情に垣間見えた、"ランチ難民"発生の意外な要因

さて、ここからは"ランチ難民"にフォーカス。アンケート調査によると、実に半数の人が、【今日は昼食を食べることができなかった】または【今日は食べたいものを食べられなかった】という事態に陥ったことがあると答えています。

Q.これまでに「今日は昼食を食べることができなかった」、または「今日は食べたいものを食べられなかった」という事態に陥ったことはありますか。その理由はなんですか?(複数回答可)

4_昼食が食べられなかったケースに関するアンケート結果_Query result 4.jpg

理由としては、【多忙のため昼食時間が取れないから】が大多数。次いで、【飲食店の混雑による待ち時間が長いから】、【業務の時間が不規則でタイミングをとりづらいから】、【ビルの外に出るまでに時間がかかるから】となっています。実際、「今日は昼食を食べることができなかった」、または「今日は食べたいものを食べられなかった」という事態に陥ったことはあるかという問いに「はい」と答えた人の割合を全回答から集計しなおすと、主に3つの特徴が浮かび上がって来ました。

※この調査の中では、この問題に「はい」と答えた方を「ランチ難民状態になったことがある」と仮定して検証します。以降のグラフでは「はい」と答えた方を「ランチ難民状態になったことがある」、「ない」と答えた方を「ランチ難民状態になったことがない」と表現いたします。

CASE 1:職場が「11階以上、または複合商業施設内のオフィスエリア」に位置する人

限られた昼食時間の中で昼食を調達・食べる必要があることを考えると、やはり移動に時間を取られてしまうのは大きな痛手ということでしょう。高層階に勤務しているほど、課題が発生しやすいと言えそうです。

Q.あなたの勤務しているオフィスはビルの何階にありますか?

5_勤務階とランチ難民に関するアンケート結果_Query result 5.jpg

CASE2:「昼食時間が不規則、自由」な人

一見、昼食時間が固定されているほうが、混雑時にランチを確保しなければならず、争奪戦に敗れた人は難民になる確率が高そうに感じます。しかし、実際はタイミングが取りづらいためか、決まりがなく自由度が高いほど、難民が多く発生するという事実が浮き彫りに。この点については、さらに検証する必要がありそうです。

Q.勤務中、昼食に使える休憩時間の形態は?

6_昼食時間形態とランチ難民に関するアンケート結果_Query result 6.jpg

CASE3:「普段のランチをコンビニ以外の店・移動販売店舗等で購入している」人

「普段のランチをコンビニ以外の店、あるいは移動販売店等で購入している」人も、ランチ難民になる確率が高い、という可能性があります。

Q.一般的な勤務日の昼食に一番近いものを選んでください。

6.5_一般的な勤務日の昼食_Ordinary Lunch_.jpg

勤務先のビル内や近場に飲食店やコンビニ、その他店舗があったり、移動販売が来たりするケースが多く、毎日のランチには困らないように思えます。ところが、実のところこれら設備は、真の"ランチ難民"問題解決策にはなっていないよう。せっかく近くにあっても、混雑による待ち時間が長ければ、結局食べ損ねてしまうといったところでしょうか。

Q.あなたの勤務しているオフィスの周りに飲食店・コンビニエンスストアなどの状況で、当てはまるものを選んでください。(複数回答可)

7_オフィス周辺状況とランチ難民に関するアンケート結果_Query result 7.jpg

現場から聞こえる、日々のランチの不満とは

最後に、働く人たちが抱える、昼食の不満を聞きました。働いている日の昼食に関して、不満があると答えた人は全体の約53%。その理由として、ほぼ同率だったのが、【店やコンビニ等の混雑】、【選択肢の少なさ】、【お昼休みの時間帯・形態】の3点。その他、料金や栄養面での不満・不安が挙げられました。

Q.働いている日の昼食に関して、不満があれば教えてください。

8_昼食の不満に関するアンケート結果_Query result 8.jpg

【店やコンビニの混雑】については、「お店が混雑している」、「コンビニのレジが混む」、「待ち時間が長い」、「もっとゆっくりしたい」等々。【選択肢の少なさ】については、「近くの飲食店が少なく、マンネリ化している」、「手頃な値段を考えると同じものばかり食べる生活になってしまう」、「だいたい行く場所が決まってきてしまうため新しい発見がない」、「いつも同じようなメニューで飽きた」といった意見がありました。

【調査結果についてAIVIC管理栄養士様からのコメント】------------

「コンビニエンスストアで購入して食べる」が「お弁当」についで2位に上がっていることが気になりました。コンビニに偏った食事は、添加物の摂りすぎになる恐れがあります。例えば肉系の加工食品には、一般的にリン酸塩が多く含まれていて、取りすぎを招きます。それに、コンビニ食でバランスよく栄養を摂取するのは難しいもの。昼食をコンビニで済ませてしまうと栄養が偏り、3食で1日に必要な栄養素をまかなえなくなります。また、コンビニではついつい毎日決まったものを食べてしまうという点も、栄養という観点からは問題ですね。

※株式会社AIVICK(アイヴィック) https://www.aivick.co.jp/solution.html

働く人の健康を「食」で支えるべく、「食」と「ICT技術」2つの側面から、世の中の健康を支える事業を展開。「totteMEAL」が「SXSW2017」に初出展した当時からコラボレーションをしています。

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「totteMEAL」なら、アプリで簡単に決済が可能。レジの混雑のために昼食をあきらめる、といった課題の解消にお役立ちできるのではないかと考えています。また、今回の調査では不満度は低いものの、AIVICK様の指摘通り、選択肢の少ない中での昼食は栄養バランスが偏りがち。おいしい昼食を食べて元気に働くため、「totteMEAL」は"栄養バランスが良く、健康な食事"という観点からも貢献できるのではないか?という想いが強まりました。さらに、今回の調査では混雑や時間の不自由さ以外にも、隠れた"ランチ難民"の課題を発見。"ランチ難民"にとっての理想のランチとは何か?さらに調査を進めていきます。

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