3月に二子玉川にオープンしたRELIFE STUDIO FUTAKOをご存知ですか?二子玉川駅からすぐ、蔦屋家電の二階にあり、住まいと暮らしを彩るライフスタイルのコミュニティスタジオとしてオープンしました。先日、FUTAKOで『暮らしの豊かさ・心地よさ』を考えるアイディアセッションが開催されました。私もこのイベントに参加しワークショップや参加者の皆さまとのディスカッションを通じて、私が事業化に向けて取り組んでいるビジネスアイディアAMPに関しても大きな気づきを得ました。今日はイベントのレポートと共に、私たちの感じたことをお伝えします。
当日はかなり肌寒いお天気
FUTAKO内のスペースでワークショップがスタート!
私がこのセッションに求めたのは、「AMP」に関して言語化された気付きを得たいということです。これまで「豊かな暮らし」「豊かな空間」と、なんとなく共有されてきた価値観を元にAMPプロジェクトを進めてきました。ですが一度ここを具現化してみないと、実際のサービスの設計や、外部とのコラボレーションに求める要件が不明確になっていると感じていましたし、それが原因で少し行き詰まりも感じていました。このアイディアセッションは、日ごろ感じてはいるものの、まじめに考えてみたことのない「暮らしの心地よさ・豊かさ」について、集まった皆様とワークショップ形式で考えるものだったので最適の機会でした。
実際にイベントを終えた今、思っていた以上の手ごたえを感じています。もともと狙っていた「暮らしの心地よさや豊かさについて言語化された気づきを得る」だけにとどまらず、「私たちが求める「豊かさ」は思った以上に素朴なことかもしれない」という発見や、『「観客」から「プレイヤー」へ』という考えの重要性という新しい気づきにもつながりました。
イベントはRELIFE STUDIO FUTAKOに、素敵なゲストをはじめとした多数の参加者の方をお招きし、6月18日、25日の二回にわたって議論を進めました。WSに参加する前は、「暮らしの豊かさ・心地よさを考える」というふわっとしたテーマ、しかも2週間続きのイベントで議論が盛り上がるのだろうかと不安もありましたが、いざフタを開けると、セッションは満席になり、皆さん積極的に楽しみながらワークショップに参加してくださいました。そして、終わったときには、本当に楽しかったと口々におっしゃっていたのが印象的に残っています。
セッション第一回では「ふかさわの台所」を主宰している成見さんから「暮らしの豊かさ・心地よさ」についてお話いただきました。
ゲストの成見敏晃さん、ふかさわの台所 主宰/ 建築士 /1977年京都生まれ
成見さんは、ご自身が核家族、共働きという条件で子育てをされるなかで、安心してすごせる空間作りの必要性を感じ、「台所」という居場所づくりに挑戦されています。その中で紹介されたキーワードが「観客からプレイヤーへ」です。これはもともと世田谷区長の言葉で、地域コミュニティづくりの観点から、住民一人一人に傍観者ではなくプレイヤーであることを呼びかけたものです。これは、地域コミュニティだけにとどまらず「豊かな空間づくり」をしていくためのキーワードにもなるのではと感じました。
第二回のゲストは、 "The Odyssey of TAMA RIVER"のコミュニティ活動をされている、藤井さん、有澤さんです。
ゲストの有澤卓也さん、The Odyssey of TAMA RIVER総合プロデューサー/株式会社ASTRAKHAN代表取締役・クリエイティブディレクター/1962年大阪生まれ
ゲストの藤井政人さん、The Odyssey of TAMA RIVER総合プロデューサー/ミズベリングプロジェクトの提唱者/現在は環境省の参事官。1966年岐阜県生まれ
お二人は東京という都会にある都市河川かつ自然河川である「多摩川」が長い年月をかけて形作ってきた情景や風物詩を撮影し、未来へのメッセージとして残し、またその映像を通じて多摩川という広大な水辺空間を私たちのライフスタイルに取り込む活動をされています。「川に落ち着きを感じる」という参加者も多く、その後のワークショップにインスピレーションをいただきました。
ワークショップ全体は、上記のようなゲストからのインプットを元に、参加者それぞれが「豊かさ・心地よさ」を感じさせる経験をシェアして言語化したり、ビジュアルや動画を持ち寄ってディスカッションしたり、最後にはチームごとに「豊かさ・心地よさ」を感じるシーンを作り上げて絵で表現するなど、具体化、言語化を重視したプログラムになっていました。
ワークショップの最後は「心地よさを感じるシーンを絵にしてみる」というお題が。各チーム、グループで討議したことをビジュアルにまとめていきます
このWSを通じて私が気づいたことは3点あります。
まずは意外と誰も『豊かさ』について意識して考えたことがないこと、改めて考えると発見が多く、言語化することによって仲間も増えるということです。「豊かさ・心地よさ」は普段から無意識にもとめているものの、特に意識して考えたことがなかったというのが、私を含めて参加者の皆さんから聞かれた意見です。また、ゲストの成見さんからも「こうやってちゃんと『豊かさ』という漠然としたものに向き合ったことがないことに改めて気付きました、今回考えたことが、自分の本業にも生かしていけそうです」というフィードバックをいただきました。言語化することで新たな発見があり、共感する仲間を増やすことができると実感した瞬間でした。
グループメンバーとディスカッションする成見さん(右から2番目)
2点目は多くの人が求めるさりげない豊かさとは、日常生活の中にひそんでいるということです。これまでのAMプロジェクトの中では、クリエイティブなもの、特別なものを生み出す、という価値観が強かったのですが、本当の豊かさ、心地よさ、とは、もっと日常的なシーンの中にあるということに気付くことができました。これに気付けたのはWSを通じて多様な専門性やバックグラウンドを持つ方々とオープンに議論を行ったことが大きかったと思います。中には映像などのクリエイティブ製作をしている方や、空間づくりの専門家、地域でのコミュニティを実際に作っている方、行政に携わられている方、大学生などもいて、年齢も専門もバラバラなのが良い気づきに繋がりました。
様々な専門をもつ参加者が入り混じり、どのチームも和気あいあいと議論が弾んでいました。
3点目の発見は、「豊かさを作る」上でも『「観客」から「プレイヤー」へという考え方が重要であるということです。なにかを受け取るだけ、人に任せるだけではなく、自らが考え、行動するという姿勢からこそ、本当の豊かさが生まれてくるのではないかと実感しました
イベントを通じて、自分たちが求める「豊かさ」を言語化することができ、AMPで目指すものをより具体化することができたと思います。また、誰もが『「観客」から「プレイヤー」へ』を実践しやすいよう、プラットフォームをより柔軟にするなどの工夫も必要ではないかという新しい視点にも気づき、試行錯誤を始めたところです。今後も皆さんと考えて得ることができた「豊かさ・心地よさ」のキーワードを活用させていただき、「共に創る」ことに取り組んでいきたいと思います。
ワークショップの最後に、参加者の皆様にはFUTAKOに展示中のAMPに触れていただくことができました。そこでは、さまざまな形でクリエイティブ活動をしている参加者の方から、このAMPのプロジェクトに何らかの形で参加したい、自分もやりたい、というとてもうれしいフィードバックをいただきました。また、セッションの後日にメールやFacebookでつながらせていただき、貴重な機会となりました。
ワークショップの最後に、AMPのコンセプトをご紹介しました
実物も見ていただきました。
今回改めて共創の重要性に気づきましたので、今後も引き続き、さまざまなイベントを企画して、AMPに触れていただく予定です。その際は多くの人に参加していただければと思います。また、質問なども随時受け付けています。ぜひCONTACTからご連絡下さい。
また、AMPの世界観についてより詳しく知りたい方は、ぜひ私たちの公式ホームページにも足を運んでみてください。