Jul 7, 2022

新たな食文化を届けたい。地元・博多で新たに構えたチョコレートドリンク専門店への想い

Game Changer Catapult

新たな食文化を届けたい。地元・博多で新たに構えたチョコレートドリンク専門店への想い

Written by Game Changer Catapult 事務局

パナソニックの新規事業創出活動Game Changer Catapult(以下、GCカタパルト)のビジネスコンテストへの参加がきっかけの1つになったミツバチプロダクツ株式会社(以下、ミツバチプロダクツ)。
業務用チョコレートドリンクマシン「INFINI MIX(インフィニミックス)」の製造・販売事業に始まり、20223月に福岡市の中洲川端にチョコレートドリンク専門店「Hanikam Chocola Tea(ハニカムショコラッティー)」をオープンしました。
そこで今回は、店舗出店までの経緯や想い、これからの展望などを聞きました。

Interview
代表取締役社長の浦はつみにインタビューを行いました。

浦 はつみ(うら はつみ)

1997年九州松下電器株式会社に入社。2002年に松下電器株式会社へ転籍後、WiLLプロジェクトにてアルカリイオン整水器の企画・営業に従事。その後、家電量販法人営業、コンシューマー部門商品企画などを経験し、GCカタパルトのビジネスコンテストに参加。2017年からチョコレートドリンク事業を推進、2018年にミツバチプロダクツを設立して、現在にいたる。

新しい食文化を発信。トレンドの発信地でチョコレートドリンク専門店をオープン

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――まずは、チョコレートドリンク専門店「Hanikam Chocola Tea」を出店しようと思ったきっかけを教えてください。

浦:私たちは今まで、BtoB向けに「INFINI MIX」というチョコレートドリンクマシンの製造・販売を行っていました。20193月から第一期の販売を開始し、翌年には完売。さらに改良を重ねて第二期の販売へ...と続けてきたわけですが「新しい食文化をつくる」という理念のもと始めた新規事業なので、より主体的に自分たちでこの文化を発信していきたいと思い、出店を決意しました。

――なぜ福岡を選ばれたのでしょう。

浦:福岡は、一般的にテストマーケティングに使われることが多いエリアのため、まずはマシンの販売代理店を設けることにしました。食のトレンドにおいても近年ではマリトッツォなども福岡から始まり、徐々に各地へ広がった実例もあります。
また、「INFINI MIX」の開発に深く関わっていただいたデザインエンジニアのダグラスさんが福岡県の糸島に住んでいること、さらに私自身の故郷でもあるので、地域活性化に貢献したいという想いもあり、第一号出店は福岡を選びました。
お店がある中洲は、飲食店が多い人気の観光地です。お店の隣には商売繫盛の神様として知られる中洲國廣稲荷(なかすくにひろいなり)神社があり、将来的にはお祭りなどの地域活動にも参加したいと考えています。

――2022年3月にオープンしてから、反響などはいかがでしょうか。

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浦:出店を決めてからは苦労の連続でした。バレンタインの時期を意識して、オープン前の20222月に期間限定でポップアップストアを展開。スタッフ一丸となって地道に宣伝した効果もあってか、1日約100杯売り上げることに成功しました。多くの方にチョコレートドリンクを知ってもらうことができ、手応えを感じました。
Hanikam Chocola Tea」のターゲットは、3040代の女性です。オープン後も狙い通りのお客様や若い世代の方にもたくさんご来店いただいていますが、意外なことに常連客の中には4060代の男性もいます。「白砂糖が入っていないのはありますか?」などと聞かれることもあり、男女問わず需要があるのがわかってうれしかったですね。
ただ、時間帯によって客足にバラつきがあるので、状況を見ながら定休日や営業時間帯の調整、天候や季節を考慮したメニューの展開など、試行錯誤している最中です。さらに多くの方にチョコレートドリンクを飲んでいただけるよう、SNSやチラシなど、さまざまな宣伝を試しつつ、口コミでも広がりを見せてくれたらと思っています。

健康意識が変化した今だからこそ届けたい。スーパーフードとしてのチョコレートの価値

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――店舗をオープンしてから「Ca美活 Hanikam Choco(シーエイビカツハニカムチョコ)」も発売されましたよね。

浦:店舗をつくるにあたり、ドリンク以外にも以前から構想があった、気軽に食べられて美容にも良いオリジナルチョコレートを開発することにしました。

――「Ca美活 Hanikam Choco」の魅力はなんでしょうか。

浦:この商品は、高カカオ成分が72%で、吸収型カルシウムを配合、さらにカカオ本来の風味や自然な甘さにもこだわった体にやさしいスーパーフードです。
中でもカルシウムは、牛乳などを飲んだとしても吸収されにくく、汗をかくと排出されてしまうため、人間に不足しがちな栄養素といえます。
また、コラーゲンやプロテインを摂取する女性は多くいますが、それと同じようにカルシウムを摂ってほしいという想いもありました。乳酸菌チョコレートというのは、最近よく聞きますが、カルシウム摂取を目的としたチョコレートは市場にもあまりなく、その点での優位性も感じました。
アフターコロナの兆しが見え始めている中、美容や健康への意識が変化し「免疫力をアップさせたい」「時間がない中でも自分磨きをしたい」という方も多いと思うので、そんな3040代の女性に向けて、おいしくて美容にも良いチョコレートがあることを知っていただきたいですね。
ECサイトでも販売を開始したばかりで、宣伝方法も含めてこれからだと思っています。間違いなく良い商品なので、ぜひ食べていただきたいです。

初めての店舗経営で学んだ自身の役割と、ミツバチプロダクツのこれから

――店舗づくりは初めての経験だということですが、経営者として何か心掛けていることはありますか。

浦:現状はまだ、さまざまな面で発展途上だと思っています。今後、これまで協力いただいたパートナーの方に向けて、利益を出していくことが私の役割です。しかし、店舗のスタッフなどには一人ひとりが個性を発揮し、のびのびとやってほしいので数字や売上のことは言わないようにしています。もちろん、経営層には数字に関する意識や現状の課題を共有します。相手の立場や役割をみて、言うべきことを伝えるようにしています。

――販売代理店など、たくさんの方の協力があって今があるということですね。パートナー選びで重要視していることはありますか。

浦:やはり「チョコレートを飲む文化を広げていきたい」という想いに共感していただけることが第一です。販売代理店の方や「Hanikam Chocola Tea」でスイーツを作ってくれているパティシエ、「Ca美活 Hanikam Choco」の製造に協力いただいている方々は、今まで築いてきた人脈から広がっていきました。本当に偶然としか言いようがない出会いも多くあり、これからも人との縁は大切にしていきたいと思っています。

4_image_of_hanikam.jpg店内のスイーツはすべてパティシエのSayakaさんによる手作り

――今後の展望などはありますか

浦:まずは、「INFINI MIX」をしっかり展開していきたいと考えています。現在はBtoBが中心ですが、今後はより多くの方にご利用いただきたいので、家庭向けのサービスも展開していきたいですね。新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増えたことも影響し、健康に対する意識が変わってきているので、勝機はあるはずです。
Hanikam Chocola Tea」に関しては、知名度が低いという課題があり、宣伝手法や集客の方法を模索中です。実際に飲食してもらわないと魅力が伝わりづらいのが難しい点ですが、一人でも多くの方に提供し、「Hanikam Chocola Tea」のチョコレートドリンクや、それを作っている「INFINI MIX」の価値が伝わればと思っています。それと合わせてお店も福岡から全国へ、そして中国などのアジア圏にも広げていきたいですね。

情熱が波及し、共感を呼ぶ。新規事業を続ける上で大切なこと

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――GCカタパルトのビジネスコンテストの参加から始まり、現在まで事業を継続・拡大し続けてこられた秘訣はどこにあるのでしょうか。

浦:やはり、自分の中にある情熱が大事なのだと思います。私の場合は「新しい食文化を発信していきたい」という想いを、さまざまな方に伝え続けてきました。そうした情熱や頑張る姿勢が人々の共感を呼び、事業の拡大へとつながります。
だから、情熱の火を消さないようにすることが大切です。もちろん私自身もくじけそうになることは何度もありましたが、仲間が支えてくれたのでここまで頑張れたと思っています。

――最後に、新規事業へ挑戦しようと考えている方へメッセージをお願いします。

浦:私は会社員時代に営業をしていた時期が一番長く、当時は社内で女性として初の営業社員でした。プレッシャーはありましたが、どんなときでも一つのことに情熱を注ぎ、たくさんの商品を広めてきました。さらに、まだ浸透していない文化を広めるための企画や提案活動にも意欲的に取り組んできました。そのときに培った経験や人脈は、間違いなく今にも生かされています。
GCカタパルトのビジネスコンテストを通して、0から1を作るのが長けている人、あるいは1のものを100にすることができる人など、自分の能力に気付けることも多いと思います。起業や事業化だけが、ビジネスコンテストのゴールではないので、情熱を注げるものを見つけて挑戦してみてください。

取材を終えて・・・

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自社で開発したマシン「INFINI MIX」で本格的なチョコレートドリンクを提供。さらにそれを多くの人に味わってもらいたいとメニューにも工夫を凝らしている「Hanikam Chocola Tea」。
オレンジを基調に彩られた店内は明るい雰囲気で元気が出てきます。職人による竹細工のカウンターやカカオの舟、手作りのテーブルなど、内装にもこだわっているとのこと。テイクアウトも可能なので、天気が良ければ店先のベンチでゆったり過ごしても気持ち良さそうですね。
チョコレートを飲むという食文化を体験してほしい!とお話しされていた浦さんとスタッフの笑顔には店名のとおり、「はにかんだ」ような謙虚さと商品への確かな自信が感じられました。

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▶︎ Hanikam Chocola Tea

「チョコレートドリンクで新しい食文化を発信していきたい」という想いで作られたお店にふさわしく、一人ひとりの好みにあわせたカスタマイズができるメニューのほか、コーヒーや紅茶、お酒で割ったものや、季節のフルーツを取り入れた商品などが提供されている。

住所:〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5丁目6-10 LA博多1F
Instagram: https://www.instagram.com/hanikam_fukuoka/

▶︎ INFINI MIX

本格的なチョコレートドリンクを製造できる家電。独自のスチームブレンダー機構により、短時間で出来立ての香り高いチョコレートドリンクが楽しめる。

▶︎ Ca美活 Hanikam Choco

独自のフルーツ発酵カカオマスを使用し、吸収型カルシウムも配合されたスーパーフード。白砂糖は使用せず、やさしく自然な甘さも追究している。

紹介ページ:https://mitsubachiproducts.com/news/2152/
ECサイト:https://hanikamchocolatea.stores.jp/

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