Apr 18, 2022

マインドフルな思考でストレスを減らす。誰もが前向きに生きられる社会を創りたい

Game Changer Catapult

マインドフルな思考でストレスを減らす。誰もが前向きに生きられる社会を創りたい

Written by kagaMe リーダー 加藤 亮平

現代社会では多くの人が悩みを抱えていて、他人と自分を比べたり、過去の出来事を引きずったり、ネガティブな思考に陥ると強いストレスを感じてしまいます。

kagaMe(カガミー)は、そうしたマインドレスな状態でストレスに悩んでいる人を対象に、呼吸瞑想を通じてマインドフルな思考になるための方法や習慣化をサポートする事業です。活動を通じて、誰もが無用なストレスをなくし、前向きに生きられる世界を創りたいと考えています。

思考法を鍛えることで、自分が感じるストレスを減らしていく

マインドフルとは、簡単に説明すると「今、ありのままの瞬間に意識を向け続けること」で、物事の良し悪しを定義せずに、その瞬間に集中している状態を指します。反対にマインドレスは意識をあまりせず、物事を自動で判断している状態。例えるなら車の自動運転のようなものです。その状態では、ネガティブな考えや他人との比較など、嫌な感情が続いてしまいます。

「今、嫌なことを考えてしまっているな」という気付きを与えて、嫌な感情を開放することで、ストレスを減らし前向きになれることがkagaMeの目的であり、価値です。kagaMeというネーミングは「鏡を見つめるように自分を見つめる」という事業アイデアへの想いから、鏡+Me(自分)を組み合わせて考えました。

また、こうしたマインドフル思考や瞑想に着目したきっかけは、kagaMeチームの中にも自己肯定感が低く、ストレスを感じやすいメンバーがいたからです。精神科の先生など専門家にも相談し、ストレスを強く感じる人の負荷を減らす方法を調べる中で、マインドフルな思考が有効だと考え事業アイデアにつながりました。

嫌な感情を手放してストレスから開放されることが大事

マインドフル思考を実現する、という事業内容ですが、やり方が数多くあるメディテーション(瞑想)の中で、kagaMeは初心者でも簡単に始められる呼吸瞑想を採用しています。

呼吸瞑想はシンプルで、目を閉じて呼吸に意識を集中するだけ。いつでもどこででも始められる手軽さがメリットです。1回の実施時間は5分から1時間程度などさまざま。とはいえ、いきなり30分や1時間行うとなると、忙しい人は時間も取れませんし、普段、無意識にしている呼吸に集中するのは難しく、最初は「今日の夕飯は何を食べようか」なんて雑念が多く出て、瞑想を長時間続けるのは大変です。まずは5分でもいいので「今この瞬間に意識を向けるトレーニング」である呼吸瞑想を毎日継続し、習慣化することが大切です。

呼吸瞑想で重要なのは、無心になる時間を延ばすよりも、雑念に気付き呼吸への集中に戻ることです。余計なことを考えないようにするのではなく、考えてしまったことに気付き、嫌な感情を手放してストレスから開放されることが大事。そうした思考の習慣化を支えるのがkagaMeのサービスです。

トレーニングは音声ガイダンスによって呼吸法が正しいかどうかをサポートしていきます。今後は心拍データを元に、呼吸瞑想後どのくらい気持ちが落ち着いたか、集中は継続できているか、といった情報をスコア化したフィードバックも受けられる予定です。

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ストレスの発散ではなく、自分の考え方という根本的な原因を解決

ストレスの解決策は、根本的な原因を取り除くか、自分の考え方を変えるか。このどちらかになりますが、職場の人間関係や働き方などの環境が原因である場合、環境を変えること自体が大変です。たとえ休日にストレスを発散できても、それは一時的なもの。kagaMeは「今、ありのままの自分と向き合う」マインドフルな思考法の醸成をサポートすることで、強いストレスを感じるという根本的な部分の解決を目指しています。

実際に、ストレスを感じているターゲット層にヒアリングを重ねると自分を変える行動をしている人は多くいました。しかし、日記にストレスを感じたことを書き出す、セミナーに参加する、瞑想に挑戦、といった行動をしても「マインドフルになれない」と感じている人が多いことが分かりました。

さらに、マインドフルになれない理由としては3つの段階があり「マインドフルな思考は悩みを解決すると知らない」「マインドフルになる手段がわからない」「マインドフルになるための取り組みが続かない」といった課題が見えてきました。

そうした顧客の状態に応じて、適切なサポートで課題を解決し、マインドフルな思考を実現できるソリューションとしてkagaMeを活用できればよいと思っています。

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ストレスのスコア化などが可能になるシステムやデバイスも検討中

現在kagaMeは、先ほど伝えたように3段階ある「マインドフルになれない」という課題の中でも、顧客が答えた数の多かった2番目の課題「手段や方法がわからない」と感じている人を対象に、実証実験でソリューションを検証しています。

まずはマインドフル思考を知ってもらうために有効性を紹介し、呼吸瞑想のプログラムを用意してやり方を解説。実施後は、どんな気分になったのかをヒアリングします。「瞑想に集中できませんでした」といった場合でも「それに気付くことが大切。意識を呼吸に戻せば大丈夫です」と、メンバーがフィードバックを送ります。そのようなコミュニケーションが継続にもつながりますし、ただコンテンツを提供するだけではない総合的なサポートを目指しています。

それらに加えて、継続してもらうためには「通知を利用者の生活リズムに合わせる」「瞑想時間を短く設定してミニマムゴールを提示する」「ストレスをスコア化して増減を実感してもらう」などの工夫が必要です。特にストレスのスコア化は目に見える要素なので、モチベーションアップが期待できますし、将来的に装着することで心拍数などを確認できるウェアラブル端末の開発が実現できれば、さらにサポートの質が上がると考えています。

今後は、サービスの内容をさらにブラッシュアップして「お金を払ってでも利用したい」と感じていただける人がどれくらい増えるのか試したいです。

kagaMe独自の価値は「思考」という根本的な部分を変えること

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1年間をふりかえると、コロナ禍でオンラインでの活動が多くなり、大変だと感じることもありました。それでもチームメンバーをはじめ産業医や、社内の技術者といった、kagaMeに共感してくれた仲間たちの協力があり、事業アイデアの実現に向けて着実にプロジェクトを進めています。

kagaMe独自の価値は、自分の考え方という根本的な部分を変えることにあります。そこにパナソニックの先進技術を組み合わせて、使いやすいサービスを生み出していきたいです。kagaMeを活用してもらうことで、皆が前向きに生きられる世界を目指して、これからも挑戦を続けます。

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