Apr 30, 2021

Game Changer Catapult 2020年度総括-変化と進化の年をメンター4名が振り返る

Game Changer Catapult

Game Changer Catapult 2020年度総括-変化と進化の年をメンター4名が振り返る

Written by Game Changer Catapult 事務局

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年度、私たちの生活様式は大きく変化しました。そんな中でも、積極的に活動した、未来の「カデン」創出を目指すGame Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト 以下、GCカタパルト)。今回は、第5期生のメンターを担当した4名で座談会を行い、メンターの業務や2020年度を振り返り、2021年度への抱負も語ってもらいました。

1_Picture of  Game Changer Catapult's Mentors _Game Changer Catapult メンターの写真

メンバーに寄り添うGCカタパルトにおけるメンターの役割とは

2_Picture of Ikeda in the team meating_メンターの池田がメンバーと打合せする様子の写真メンターの池田がメンバーと打合せする様子

布施:こんにちは。家族みんなの健康的な食習慣に寄り添い、おいしく簡単に糖質制限食が続けられる「よりそいごはん」のメンターをしている布施です。GCカタパルトの事務局を3年続けており、メンターになるのは今回が初めてです。事務局でカタパリストの方たちとやり取りをする中で、「話しやすい」と言われたことがあり、メンターになって私にできることはないかと考え、志願しました。なかでも健康と食に着目したよりそいごはんは、個人的に一番関心があったプロジェクト。メンバーに指導するのではなく、寄り添いながら事業化に向け取り組んでいます。

池田:私は忙しい中での平日の夕食準備を楽にしたいという想いから生まれた「つくりおき料理」代行プラットフォーム「minacena(ミナセナ)」のメンターをしています。普段はヘルスサポートプロジェクトでスポーツ関連のテーマを担当していて、GCカタパルトに関わり始めたのは2018年から。メンターは今回で3回目になります。事業部での商品企画や研究所での研究開発など、幅広い業務に携わってきたので、今まで培ってきた知見や人脈を生かしながら、メンバーをサポートしています。過去2回は、やり方を模索しながらやってきましたが、今年度はメンター向けの研修でメンバーと同じ立場になる機会をいただき、改めてプロジェクトを進めることやアイデアを出す困難さを痛感した為、私もメンバーの視点に立って、考えるようにしています。

向奥:私も布施と同じく、GCカタパルトの事務局も担当しています。メンターを担当しているプロジェクトは、スポーツをしているわが子をカメラが自動的に捕捉し、撮影、自動編集・配信を行うプラットフォームサービス「Spodit(スポディット)」です。自分もスポーツをしていたこともあり、スポーツを通して社会貢献をしたいというメンバーの想いには強く共感しています。メンターになるのは今回が初めてですが、私自身もGCカタパルトのビジネスコンテストにエントリーした経験があり、チームビルディングのケアなど、メンバーの助けになれるのではないかと考えました。メンターとして、客観的な立場であることを意識しつつも、上からではなく、同じ目線で物事を進めながら、信頼関係を築くことを大切にしています。

菅:私は普段ヘルスサポートプロジェクトの業務に従事しています。メンターになったのは、GCカタパルトでの学びが通常業務の役に立つと考えたのと、以前別部門にてメンターに近い活動をしていたこともあり、その経験を生かせると思ったからです。担当するテーマは、事業化の実現性の高さ、プロジェクトとしての面白み、関わる中で勉強になるかどうかの3つの観点から選びました。その意味において、オンラインギャラリー「Uttzs(ウツス)」はぴったりの題材でした。リアル展示と重なり合うもう一つの展示空間を創り出すというサービスは、コロナ禍の今だからこそ親和性も高いと考えました。主体者はあくまでメンバーですが、当事者意識を持ち、メンバーが苦手な部分や、プロジェクト推進にあたり的確なアドバイスができるよう心掛けています。

例年とは違うオンラインの中で築かれるメンバーとの信頼関係

3_Picture of  Game Changer Catapult's team meeting_メンバーと顔合わせした際の写真メンターの布施や菅がメンバーと顔合わせした際の様子

布施:メンバーと初めて顔合わせをしたのはキックオフの時です。よりそいごはんのメンバーは皆さん研究者で、最初は話についていけるのか不安があったものの、自身のアイデアを話すと共感してもらい、打ち解けることができました。

池田:打ち解けられるかは、最初にメンターが感じる課題かもしれません。特にminacenaチームは、メンバー同士が応募前からの知り合いだったこともあり、メンバーの結束力が強く、打ち解けられるか不安な面もありましたが、働くお母さんとしてアイデアに共感できることを伝えながら、チームの一員になるつもりで、信頼関係を築いていきました。

向奥:わたしは信頼関係の構築には意識的に取り組みました。まずは一緒にご飯に行くなど、メンバーの思いに共感しながら、信頼を獲得していきました。

菅:Uttzsのメンバーに関しては、若手とベテランのバランスが取れており、非常にレベルが高いように思います。年齢層は幅広く、リーダーが思い描くゴールやWILLの共有がされていることの大切さをBoot Campを通じて学びました。

布施:Boot Campはコロナの影響でオンラインになってしまい、対面と違い、細かなニュアンスが伝わらず、もどかしく感じる場面もありました。だから言葉遣いなどには細心の注意を払いましたね。

池田:minacenaチームは、全員関西勤務だったので、よくリーダーの家に集まるなどして、対面で会議する機会も多かったです。プロジェクトスタート時、minacenaは子どもの送迎や調理など、幅広い家事のなかで、どの課題にフォーカスを当てるのか試行錯誤していた時期でした。私はメンターとして、メンバーたちが納得することが大切だと考えていたので、過度なアドバイスはせず、選択肢を提示し、自分たちが今一番なにをしたいのか、といった考えを整理する役目に徹していました。

向奥:Spoditも当初はプロスポーツ向けのサービスとして進められていました。アマチュア向けに展開するアイデアも出ていたのですが、プロスポーツ好きのメンバーが多く、プロジェクトに対する思いがバラバラになりはじめていました。リーダーもオンラインでのコミュニケーションに悩んでいた時、私は橋渡し役として、メンバーにヒアリングを実施し、「スポーツの可能性をもっと引き出す」という原点に立ち返り、チームの意思統一を図ることに成功しました。

菅:コロナ禍では、オンライン中心になるため、みんな同じような課題を抱えていたと思います。私もメンバーとの人間関係の構築にやりづらいと感じる場面もありました。一方で、移動時間がなくなり、誰もが参加しやすくなったというメリットは大きいと思います。アフターコロナになっても、プログラムのパフォーマンス向上とワークライフバランスを高める為にもリモートの利便性をうまく活用していきたいですね。

プロジェクトも大詰め。メンターとしてのやりがい
チームとともに乗り切った「TOAワールド・ショーケース東京2021」

4_Picture of TOA world showcase_TOAワールド・ショーケース東京でのピッチの写真 TOAワールド・ショーケース東京でのピッチの様子

布施:事業検討会と、「TOAワールド・ショーケース東京2021」に向けた準備でもコロナの影響を受けました。よりそいごはんの試作や、試食会の開催も難しく、ユーザーの生の声が拾えないという課題を抱えていました。何度も会議を重ねながら、ユーザーへのインタビューはオンラインで実施し、試作品も見通しをつけることに成功。その体験が自信につながったのか、「TOAワールド・ショーケース東京2021」では、リーフレットや動画づくりで、さまざまな人を巻き込み、次々と行動することができました。チームが試作に成功し、「よりそいごはん」の現物を食べることができた時はとても感激しました。

池田:minacenaの場合、家事代行業者とどうすればWinWinのパートナーとして関係が築けるかが課題でした。家事代行サービスについてヒアリングを重ねたくても、オンラインではうまくいかない部分も多く、ニーズが掘り起こせずにいましたが、メンバーが身近な人たちを直接訪ね、自らつくりおき料理を調理し、サービスを提供するという堅実な形で、生の声を集めました。その結果、発表にも説得力が生まれました。「TOAワールド・ショーケース東京2021」では、新たなメンバーも加わり、全員が同じところを目指して取り組んでくれたので、minacenaの世界観づくりが一気に加速した気がします。

向奥:サービスを実現するにあたり、アイデアを形に落とし込める技術者とデザイナーがおらず、プロトタイプを作れずにいました。そこで、私がこれまで事務局をする中で知り合った、過去のビジネスコンテストに参加された技術者とデザイナーに相談したところ、Spoditのビジョンに対し共感を得ることができ、チームへのサポートが決定しました。サービスのイメージがしっかり固まり、アイデアをブラッシュアップしながら、実証実験を行うフェーズに入ると、社内起業家として覚醒したのか、具体的な意見が飛び交うようになりました。チームの成長が目に見え、「TOAワールド・ショーケース東京2021」の準備期間は濃密な期間になりました。

菅:Uttzsのチームでは、応募時点からビジョンが明確にあったため、大きなブレもなく、事業検討会と「TOAワールド・ショーケース東京2021」の準備を並行して進めていました。本業が忙しい中でも、両立しながら本当に頑張ってくれました。「TOAワールド・ショーケース東京2021」では実際にサービスを見て、ほしいと言ってくださるお客様がいて、自信が持てました。特に顧客候補との打合せにおいて、Uttzsのビジネスアイデアと顧客価値が目の前で繋がった時のリーダーの嬉しそうな顔は、今でも忘れられません。

新たな可能性を切り開き、メンターとしても成長できた2020年度

5_Picture of  Game Changer Catapult Members _Game Changer Catapultメンバーの写真

布施:メンターの役割というのは、プロジェクトによって異なると思いますが、テーマが変わってもこの経験を糧に柔軟に対応していきたいです。コロナ禍の影響もあり今までにない1年でした。しかし、試行錯誤を繰り返すなかで、新たな可能性を切り開く大きな一歩になったのではないかと感じています。またメンターとしても、俯瞰的に物事を捉える力や、行動することの大切さに気付かされ、自身も成長することができました。

池田:メンターは3回目ですが、チームごとにカラーが異なり、毎回新鮮な体験ができ、勉強になります。minacenaのメンバーは、Panasonic内での事業化を目指しているため、事業部との調整という新たな課題もあり、引き続きサポートしていきたいです。2020年度は、アウトプット方法を模索した1年でした。リアルではなく、オンラインでどう伝えるか、新しい表現を見つけ出すことは難しいですが、新時代の幕開けと捉え、これからも考え続けなければならないのではないかと思っています。

向奥:Spoditもビジネスとして成立するために、サービスを作りこみ、ブラッシュアップを進めている段階です。メンター業務を通して、チームメンバーの気持ちをくみ取り、具体的なアクションプランを導くことができるようになりました。オンライン開催となった展示会でも、双方向でのコミュニケーション手法を生み出しました。今まで通りにできなくなったからといって、やらないのではなく、新しい方法を模索した進化の1年だったと思います。

菅:状況が常に変化し、先が見えない中でも、事業には決してブレることのないビジョンが必要なのだと、気付かされた1年でした。応募当初から顧客と業界の課題を確実につかんでいたUttzs のメンバーと一緒に仕事ができたことは、とてもいい刺激になりました。実物での検証をもっと早くから始めてもらうべきだった、という反省があるので、次回もメンターをするときは、状況を見極めながら柔軟に対応するようにしたいです。

GCカタパルトのこれから

布施:私たちが担当した第5期生を含め、GCカタパルトを通してできたナレッジをPanasonic全体に広めていきたいですね。アイデアの転換方法や発想の仕方など、通常業務でもヒントになることが多く、うまく活用できれば全社員の成長にもつながるのではないかと考えています。

池田:私がこれまで携わってきた中で、技術的な問題で叶わなかったアイデアやタイミングが悪かったアイデアがいくつもあります。それを掘り起こして、ビジネスコンテストのアイデアと結び付け、今の技術で実現することができれば、また新しいビジネスの発想につながり、会社にとっても大きなプラスになるのではないかと思います。

向奥:日常生活のなかで、課題を見つけ、新規事業のアイデアが湧く、といった経験は多くの人がしたことがあると思います。GCカタパルトはそんな些細なアイデアをブラッシュアップし、ビジネスとして成立させられるような場所になれればいいのではないかと思っています。

菅:思いついたテーマを軽くカタパルトに相談してみよう、と思ってもらえる組織を目指したいすね。GCカタパルトと事業部の人材交流が活発になれば、さらに新規事業創出の風土も高っていくと思います。

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▶minacena
「minacena(ミナセナ)」は「平日の夕食準備を楽にする」をコンセプトにした、つくりおき料理代行プラットフォーム。メニュー提案、食材配達、料理代行、レシピ提供など、自宅での料理を総合的にサポートし、アプリでの簡単でおいしい料理の提案や、料理代行キャストが利用者の自宅に訪問して調理するサービスを提供する。

▶よりそいごはん
「よりそいごはん」は低糖質でしっかりした食感の新しい主食と、調理や体調管理をサポートする専用アプリで、家族の健康的な食習慣を支えるフードサービス。小麦・大豆・卵で作られた低糖質で高タンパク質な主食が、糖質制限中の「満腹感のなさ」を解消し、専用アプリでバイタルデータや食事データを管理する。

▶Spodit
スポーツ映像の自動編集・配信プラットフォームである「Spodit(スポディット)」は、頑張るわが子のスポーツシーンを自動で撮影し、編集AIがダイジェスト映像にして動画を提供するサービス。クラブにカメラをレンタル提供し、設置するだけでプレーヤーを取り逃がさない映像が撮影可能で、完成した動画はスマートフォンから気軽に視聴できる。

▶Uttzs
オンラインギャラリーサービス「Uttzs(ウツス)」は360°カメラでの空間撮影と高解像度カメラによる作品撮影を組み合わせることで、自在にウォークスルー可能な360°展示空間を実現させる。オンラインギャラリーではアーティストとチャットやビデオ通話が可能で、ECサイトとしての機能も備えており、作品のスムーズな販売・購入をサポートする。

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