Mar 11, 2018

パナソニック独自技術 「機能ミスト」でホワイトニングに革命を(前編)

Game Changer Catapult

パナソニック独自技術 「機能ミスト」でホワイトニングに革命を(前編)

Written by Sylphidチーム 大塚 理沙・大槻 優・松永 春香/

ジェルを使わず、水と空気で歯を白く。

美の追求には我慢や忍耐がつきもの。まさしく歯のホワイトニングも、今までは "No pain, no gain"が常識でした。当社が行った調査では、ホワイトニングの施術中・後に知覚過敏を引き起こす人は、23.4%(*1)。ホワイトニングジェルの種類や生まれ持った歯の特徴にもよりますが、症状がひどい人だと、水を口に含むだけで強い知覚過敏を引き起こす人もいます。せっかく憧れの白い歯を手に入れるために始めたホワイトニングも、続けることができずに途中で挫折する人も少なくありません。そんなお困りごとを解決し、今の常識を変えることができないか...その想いから生まれたのがこの「Sylphid」です。

Sylphidとは、「空気の精」の名前。その名の通り、ジェルではなく、空気と水で歯を白くします。

CO2とH2Oを原料にし、Panasonic独自技術の機能ミスト技術によって、痛みがないホワイトニングを可能にします。

Graphic of H2O and CO2

テーマに出会ったきっかけ

最初にこのテーマをスタートしたのは5年ほど前になります。

ホワイトニングの技術を調査してみると、ホワイトニングには長い歴史があることがわかりました。古代エジプトの時代から歯を白くする方法が考えられ始め、現在は過酸化水素が入ったジェルを使用する方法が主流となっています。しかしジェルを使う方法は数十年間変わっていないことに気づきました。

髪や肌をケアする方法には、機器を使ってケアする方法があるのに、なぜホワイトニングにはないのだろうと思いました。このとき、ジェルを使わない方法があったとしたら、どんなメリットにつながるかまだわからないけれども、新しい価値が必ず生まれる商品になると考えました。ホワイトニングテーマ担当となった私は、せっかくなら今までになかったような商品を作りたいと、とてもワクワクしていました。

ジェルを使わないホワイトニングにチャレンジしてみようと思い立ってから、どうしたらジェルを使わずにホワイトニングできるか考え始めました。調べてみると、歯を白くするためには、過酸化水素という原料が必要であり、この原料をもとにOHラジカルという有効成分を生成していることが分かりました。そこで、ジェルを使わずにOHラジカルを生成する技術を網羅的に調べて、最終的に行き着いたのは機能ミスト技術でした。試作したプラズマデバイスを使って実験してみると、代用評価に使用している牛歯(*2)がみるみる白くなりました。世界で初めて発見をしたような気持ちになり、とても嬉しかったです。

現在のコンセプトに行き着くまで

ホワイトニング担当になってからある日、ホワイトニング商品を担当しているのだから、ホワイトニングを自分でもやってみるべきだなと思い、自費でホワイトニングしてみました。もともと歯の色にムラがあってコンプレックスに感じていたものの、これまでホワイトニングしようと思ったことはなかったため、最初は仕事の一環でおこなったつもりでした。しかし実際にやってみると、とても衝撃的でした。白い歯を手に入れるだけで、こんなに見た目の印象が変わるのだと思いました。ホワイトニングというのは、新しい自分に会える、世界が広がるすごい体験なのだと思いました。ホワイトニングをしたことを言ってないにも関わらず、周囲の人から歯が白くなったことに気づかれて褒められたりして、自信も少しずつ出てきました。なぜもっと早くホワイトニングをしなかったのだろう、白い歯を手に入れることでこんなに変わるのなら、他の人にもぜひやってほしい!と強く思いました。

そこで周囲の人に話を聞いてみると、周囲の友達でホワイトニングをしたことがあるのは、たった一人だけでした。全員が歯の色が気になっているにも関わらず、ホワイトニングをほとんどしたことがなかったのです。話を聞いて気づいたのは、ホワイトニングには無意識のバリアがあるということでした。高そう、痛そう、ホワイトニングは意識の高い人がするもの、歯医者に行くのが面倒。。。バリアのもとになっている、これらの要因を解決することで、少しでも多くの人に白い歯を手に入れて欲しいと思いました。

ホワイトニングを身近にするには、家庭でも使える機器にすること、痛みがなく安心してホワイトニングできることが必要だと考えました。ある時、ジェルを使わない=痛みがない、を実現できる可能性があると気づき、「剤を使わないから痛くない」というコンセプトを設定しました。

開発の苦労

当社が保有するプラズマ技術にたどり着いた当初は、順調な足どりでしたが、しばらくしてから壁にぶち当たりました。人の試験の前には牛歯を使って実験をするのですが、牛歯では効果があるのに人で全く効果がでませんでした。そこで牛歯の実験に戻って、効果を上げるために条件を変えると、反対に安全性に問題がでたり、効果を安全性を両立させることができるまでに、2年間かかりました。来る日も来る日も、思うような結果が出ず、諦めるべきか悩みました。

実験用の牛の歯/Tooth of cow

実験用の牛の歯

実験中の様子/ During Experiment

実験中の様子

そのような状況を打破するきっかけになったのは、社外で行われていた講演会でした。講演会の内容がヒントとなり、効果と安全性を両立する方向に一歩踏み出すことができるようになりました。

このように状況は少しずつ変化してきたのですが、テーマを始めて3年目の時、商品開発には光が見えてきたにも関わらず、各種申請や投資の必要性から商品化にストップがかかってしまいました。その当時の私は、先が見えない状況でどん底の状態にいました。

「ユーザーの声を聞いてからじゃないとあきらめられない」

テーマを継続するか判断を迫られている中、5年間かけたテーマがなくなる。。。

そこで有力候補と考えたアメリカに行き、インタビューを決行しました。私はこの時、初めてお客さんの素直な反応を見ることができました。インタビューに現れた参加者たちは、Sylphidの商品コンセプトを見せた途端、インタビュー参加者たちの顔つきが変わったのです。「どこで買えるの?」「これが実現したら素晴らしいイノベーションだ」「痛みなくして効果なし、という常識が覆る」 ― 「これはいける」 と強く感じた瞬間でした。

数十年間変わっていない現在のホワイトニング手法。当たり前すぎて疑問にも思われていなかった「ホワイトニングジェル」を使うことへの不満を掘り起こすことができたのです。参加者たちの反応を見て、これはいけると強く感じ、何とかこのプロジェクトを続ける方法を模索しました。そこで出会ったのが、Game Changer Catapult (ゲームチェンジャー・カタパルト)だったんです。

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