Mar 8, 2018

パナソニックの若手デザイナー集団「FUTURE LIFE FACTORY」の挑戦(前編)

Game Changer Catapult

パナソニックの若手デザイナー集団「FUTURE LIFE FACTORY」の挑戦(前編)

今回は、Game Changer Catapult (ゲームチェンジャー・カタパルト)と一緒にPanasonic House @ SXSWに出展するFUTURE LIFE FACTORYについて紹介します。

―まず、FUTURE LIFE FACTORYについて教えてください。

FUTURE LIFE FACTORYは、「豊かなくらし」を再定義し、具現化していくPanasonic内の集団です。10年先、20年先の未来を想像したときに、豊かなくらしはどのようなものなのでしょうか。私たちは、次代のくらしや価値観の新たな兆しを見出し、既成概念にとらわれない発想力で魅力的なアイディアを生み、それを形にして世の中に問いかけることでムーヴメントを起こし、新しい文化を作りたいと考えています。

組織としては、2017年4月にアプライアンス社(パナソニックに4つある社内カンパニーの一つ、主に家電を担当領域とする)デザインセンターの実験的な取り組みとして設立されました。メンバーは30才前後を中心としたメンバーで構成されており、以前は、それぞれ別の商品開発にプロダクトデザイナーとして携わっていました。チームの運営方針や活動は、メンバーが直接デザインセンター所長に答申し、決定しています。

―FUTURE LIFE FACTORYのミッションはどのようなものですか?

ここ数年、社内外でデザイナーを取り巻く環境が大きく変わり、インハウスのデザイナーとしての存在意義があらためて問われています。FUTURE LIFE FACTORYは、事業とデザインの二つの新領域に挑戦することをミッションとしています。

事業の新領域への挑戦は、商品開発に関わっていない私たちだからこそ提案できる、事業部を横断するようなコンセプトや、既存事業の価値の延長線上では思いつかないような新しいコンセプトを創出することです。デザインの新領域への挑戦は、デザイナーならではの視点で未来の予兆を掴むこと、そこから具現化した新しい価値を、発信を通じて世の中に問いかけるところまで、デザインする領域を拡大させることです。今のFUTURE LIFE FACTORYのメンバーは、全員プロダクトデザイナーなのですが、現在の活動では、UXデザイン、空間デザイン、プランナー、コピーライターなど、プロダクトデザインにとどまらないデザイン領域の活動に挑戦しています。(詳しくはこちらもご覧ください)

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―Game Changer Catapultとは、どのような関係なのでしょうか?

FUTURE LIFE FACTORYは、アプライアンス社デザインセンターのメンバーを中心としたチームですので、同じアプライアンス社で新しくておもしろいことを社会にどんどん問うているGame Changer Catapultの活動は、いつも刺激になっています。よくGame Changer Catapultとどう違うのかと聞かれることも多いですが、Game Changer Catapultは、より事業に近いところの提案が多いような印象があります。同時多発的に新しく前向きなプロジェクトや組織ができることは非常に喜ばしいことでもあり、ライバルというよりは、同じビルにオフィスを構えていることもあって、同士のような印象です。情報交換もこれまで以上に積極的に行いながら、お互いにいい刺激を与えあえる関係でいたいと思っています。

―SXSWに出展する二つのテーマのコンセプトを教えてください。

WEAR SPACEは、ノイズキャンセリング機能のヘッドホンと視野角を調整できるパーテーションで構成された、新しいウェアラブルデバイスです。オープンな空間にいながらも、WEAR SPACEを身に着けることで、瞬時に周囲との境界を作り出し、心理的なパーソナル空間を生み出します。

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+WINDOWは、窓のない部屋に自由に取り付ける事ができる、光・風・音 で表現された新しい「窓」です。空間の制限や閉塞感を緩和し、心と身体を整える、住空間におけるインテリアの新たな価値提案です。

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2017年度レッドドットデザインアワードのデザインコンセプト部門で、WEAR SPACEは「Best of the Best」を、+WINDOWは「Honourable Mention」を受賞しています。

―SXSW出展に期待することは何ですか?

二つのコンセプトの受容性検証を行いたいと考えています。会期中はデザイナー自ら説明員として立ち、来場者からリアルな生の声を聞くことで、アイディアがより深まると思いますし、強みや不足しているところも見えてくると思います。Panasonic House @ SXSWの二階で開催されるOpen Hubでは、メンバーの重浦が登壇するトークセッションも予定しているので、オープンに議論できればと。もちろん、ビジネスチャンスも期待しています。商品化に少しでも近づくよう、販売先など協力していただけるパートナーを見つけたいです。FUTURE LIFE FACTORYとしては、はじめての海外での展示会になるので、「パナソニックのデザインが何だかおもしろいことをやっているぞ!」とみなさんに感じていただけるよう、頑張ります。

後編では、WEAR SPACEと+WINDOWが、SXSWに出展するまで、どのような活動を行ってきたのか、また、FUTURE LIFE FACTORYの今後の活動についても特集したいと思います。ご期待ください。

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